2026年3月5日
〈トップインタビュー2026〉日産・自動車大学校、本廣好枝学長 日産校ならではの体験を 26年春の新入生は前年並み
自動車メーカー系列で最も多い全国5カ所で整備学校を運営している日産・自動車大学校。モータースポーツに力を入れている日産自動車の強みを生かし、レースの現場と連携した教育プログラムを用意するなど、競合校との差別化に力を入れている。しかし、少子高齢化の中で、新入生の確保が年々難しくなっているのは同校も変わりない。どのように選ばれる学校づくりに取り組んでいくのか、本廣好枝学長にこれからのビジョンを聞いた。
―2026年4月の入学予定者の状況は
「合格者数が非常に多かった前年と比べると、少し出遅れていた。ただ、昨年末の時点で、ようやく追い付く水準となり、以降は堅調に推移している。25年4月は5校合計で約860人が入学したが、今春はこれに近い人数となる見通しだ」
―ここ数年で留学生が増えている
「今年度も留学生の応募が多く、各校の留学生学科の定員は昨年12月までにほぼ埋まった。最近は日本語が得意な留学生も増えており、こうした優秀な学生を別の学科に案内して対応することもある。26年4月の入学者のうち、6割程度が留学生となる見込みだ」
―26年度以降の募集活動の方針は
「少子化が加速しており、学生募集も容易ではない。ただ、日産系列の販売会社に整備士を送り出すことがわれわれの役割であり、そのための活動を進める。日本人の生徒への呼び込みを強化するとともに、留学生をさらに受け入れられる環境を整える。各校の留学生学科の定員を拡大することも検討中だ。また、増やした学生に応じて受け入れ態勢も整える必要があるため、教員の確保に向けた議論も進めている」
―留学生の増加は今後も続くのか
「全体として増加傾向にあるものの、何もしないで留学生の入学者が増えるという時代ではない。為替が円安に振れたままで、留学生の目線では日本で働いても給与が目減りしていると見える。日本に対する魅力が下がっていると言ってもいい。われわれもそれを踏まえた活動が必要だ。日産自大ではメーカーと協力し、中国の専門学校とも連携している。現地の学校と関係を深め、そこから当校に留学生を迎える流れをつくっていきたい」
―ライバル校も対策する中で、学生募集でどう競り勝つのか
「学校生活の中で、日産自大でしかできない体験ができることを訴えていく。国内最高峰のレースの整備現場に携われる『日産メカニックチャレンジ』がその一つで、ここ数年はカスタム車の制作にも力を入れていることも、われわれの魅力になっていると思う。当校の特色を打ち出し、高校生に選ばれる存在を目指す」
―授業内容で強みはあるか
「日産は、車の電動化と知能化を推進してきた。メーカーの協力を得て、これらの先進技術について学べる授業を25年度から始めた。整備技術というよりは、運転支援機能『プロパイロット』などの知識を深められる」
―電気自動車(EV)への対応は
「25年度から軽自動車のEV『サクラ』を用いて、駆動用電池の脱着に関する授業を試験的に始めた。EVの整備技術はすでに教えているものの、EVが普及すれば、これまでよりも幅広い知識や経験が求められる。この授業は、それを想定したものだ。まずは教師がメーカーに出向いて関連技術を学び、そこで得たものを学生に伝えている。今後も車の進化に合わせて必要なカリキュラムを用意したい」
〈プロフィル〉もとひろ・よしえ 早稲田大学教育学部卒業。1985年4月日産自動車入社。インド日産社長などを経て、2019年4月から現職。東京都出身。
(舩山 知彦)
| 対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞3月5日掲載












