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2026年3月3日

新車登録・届け出、先送り希望のユーザー増加 環境性能割廃止による負担軽減が狙い 費用負担求める販社も

新車の販売会社で、2025年度内に予定していた登録・届け出時期の先延ばしを希望しているユーザーが増えている。取得時に課税される「自動車税環境性能割」の対象車の場合、廃止された後に登録・届け出した方が顧客の負担が軽くなるケースが少なくないからだ。ただ、販社にとっては納車できない車両が増えると、追加でヤードを確保する必要が出るなど余計な負担が生じる懸念もある。一部の販社では、こうした費用の負担をユーザーに求めるところも出ている。

軽の場合、ターボ車の多くが課税対象だ(イメージ)

環境性能割は、車両の環境性能に応じて価格に0~3%課税される制度(軽自動車は上限2%)。総務省によると、24年の乗用車販売台数のうち登録車の45.2%、軽の55.8%が課税対象だった。ハイブリッド車(HV)の大半は非課税だが、逆にガソリン車の大半は課税される。一方、二重課税などの問題があったため、政府は26年度の「税制改正大綱」に、3月末での廃止を盛り込んだ。

 

廃止が決まった25年12月以降、一部では年度内の新規注文を控える動きが出る可能性を指摘する声もあったが、「受注への影響はない」(中日本の日産販社社長)とする販売店がほとんどだ。そもそも課税車種が約半数にとどまるほか、人気車は年度内の納車が間に合わない場合が多いことが主な理由だ。「廃止前の受注減を防ぐため、販売促進キャンペーンを行っている」(西日本のマツダ系販社社長)といった効果もありそう。一部では買い控えを抑えるための販促費を販社に支給しているメーカーもあるようだ。

 

しかし、納期を4月以降に先送りする動きは、確実にある。西日本のトヨタ系販社の幹部は、「今年度内に納車する予定だった100台分が、顧客の希望によって登録を4月以降にずらすことになった」と明かす。この販社ではもともと800台ほどを2カ月間で納車する予定だったと言うが、計画が大幅に狂うことになる。

 

こうした場合、販社の重荷になるのが、車両の保管場所の確保や管理コストだ。本来ならばユーザーの手元に届けているはずの車両を持ったままでは、ヤードが足りなくなる。この間、車両を安全に保管しておくための警備費用なども増える可能性がある。このため、東海地区のトヨタ販社の関係者は、顧客から要望があった場合には「保管料金をもらっている」と言う。また、バッテリー上がりの懸念もあるが、「そうしたケアの代金も顧客に負担してもらう」としている。

 

ただ、適切なコストを徴収しても、販社の経営の逆風にはなりそう。販社は新車の登録・届け出に応じ、売り上げを計上するのが一般的だ。「登録(届け出)時期がずれ込むことで、今期の決算にも多少の影響は出る」(北日本のホンダ系販社トップ)懸念がある。

 

2月の新車販売台数は、2カ月連続で減少となった。3月も納期先送りの影響が、統計に表れることも考えられる。また、環境性能割の廃止時期は、衆院の解散総選挙が行われた関係で当初の4月1日からずれ込む可能性も出ている。

日刊自動車新聞3月3日掲載