2026年2月25日
日本メーカー・サプライヤー、米国関税の動向を注視 違憲判決に新たな関税で高まる不確実性
トランプ米大統領による相互関税が違憲とする米連邦最高裁の判決を受け、国内の自動車関連企業は状況を注視している。トランプ大統領は相互関税に代わる新たな関税を発動することを決め、先行きは不透明だ。すでに分野別関税がかかっている自動車と部品などは対象から除外されるため自動車産業への直接的影響は小さいが、各社は “トランプ関税”の違法判決が及ぼす事業環境の変化を見極め、迅速に対応する方針を示す。
最高裁の判決を受け、日本では15%の相互関税が撤廃された。一方、トランプ大統領は代替手段として全世界に10%の追加関税を150日間課す大統領令を出した。さらにトランプ大統領は関税率を15%まで引き上げる考えを示す。
赤澤亮正経済産業相は2月24日、閣議後会見で「米国政府の対応を含む関連の動向や昨年の日米間の合意に与えうる影響について、高い関心を持って注視している」と述べた。23日には米国のラトニック商務長官と電話会談を行い、米最高裁の違憲判決を受け米側が新たな関税措置をとる中で、日本の扱いが昨年の日米間の合意より不利になることがないよう申し入れたという。
米国が新たな関税措置をとることについて、トヨタ自動車は「今後の動向を注視していく。引き続き腰を据えて自分たちのできることに集中する」とコメントした。他の自動車メーカーも同様の反応で、状況を慎重に見極めている。
分野別関税が課される対象品以外で、自動車産業の中で相互関税がかかっていたのは、二輪車やオフロード四輪車、船外機などが挙げられる。二輪車や船外機などで相互関税の影響があったヤマハ発動機は「新たな関税が揺れ動いている状況なので、引き続き情報収集しながら動向を注視する」としている。
サプライヤーも情勢を見守っている状況だ。マーレジャパン(東京都豊島区)の木下靖博社長は「政策の予見可能性のほとんどない大統領でもあり、徴税済みの関税がどうなるかも含め、今後の動きを注視したい」と話す。
相互関税の違憲判断で過去に徴収された関税が戻ってくるかも注目される。名古屋市に本社を構えるサプライヤーは、判決を受け「弁護士と対応を検討中」とした。また、別の企業の担当者は「関税の還付が決まり、その方法が示されて初めて対応を行うことになる。裁判には5年かかるとの報道もあり、状況を注視しながら粛々と進めるほかない」と話す。
あるサプライヤーのトップは「違憲判決が出た後、すぐさま根拠法を変えて新たな関税措置を発効させるというのは、いかにもトランプ大統領らしい」と話す。いずれにしても、国内自動車関連企業の多くが主戦場とする米国事業の不確実性はますます高まっている。
| 対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞2月25日掲載












