2026年2月5日
400万円未満の輸入乗用車、販売台数下げ止まり 12年ぶりに前年実績上回る 品ぞろえ多いVW車復調が奏功
輸入乗用車でエントリークラスの車両価格「400万円未満」の販売台数が、下げ止まった。日本自動車輸入組合(JAIA、ゲルティンガー剛理事長)によると、2025年は前年比7.4%増の4万2789台で、12年ぶりに前年実績を上回った。この価格帯の品ぞろえが多いフォルクスワーゲン(VW)車が復調したことが効いた。割安な電気自動車(EV)を持ち込んでいる中韓勢も追い風になったとみられる。
VW車の25年の販売台数は、同36.2%増の3万1031台となり2年ぶりのプラスになった。24年は、メーカー側や海上輸送の問題から国内への供給問題が発生。この解決が長引いたため、販売面でブレーキがかかっていた。25年は「前年と比べて車両供給が安定し、需要とかみ合った」(フォルクスワーゲングループジャパン=VGJの広報担当者)ことで大幅なプラスとなった。
加えて、反転攻勢を支えたのがエントリー級のモデルだった。実際、「販売台数の4割超が400万円未満だった」(VGJ広報)という。特に、顕著な伸びをみせたのが、24年秋に一部改良した小型SUV「Tクロス」で、25年は同74.8%増の8095台を販売した。400万円未満のグレードがけん引した。根強い人気の「ゴルフ」もこの価格帯のモデルを用意しており、昨年の一部改良で商品力が高まったことも後押ししたとみられる。
また、輸入EVで存在感を示している中韓勢の動きも重なった。中国・比亜迪(BYD)は、23年秋に400万円を切る価格設定とした「ドルフィン」を発売した。国内で乗用車事業を手掛けるBYDオートジャパン(東福寺厚樹社長、横浜市神奈川区)によると、25年は1077台を販売。EVの購入補助金を合わせると、さらに購入しやすくなっている点が支持されたとみられる。
韓国・ヒョンデ自動車も23年秋に、400万円未満のグレードを持つ「コナ」を発売。25年4月には全グレードが400万円を超えない「インスター」もそろえた。ユーザーにとって価格面でのインパクトが大きかったとみられ、エントリー級のモデルの拡販に一役買ったとみられる。
ただ、このトレンドの変化を今後も維持できるか見通しは立っていない。400万円未満が減速する前の13年は、同14.2%増の17万8861台あったが、25年はこの4分の1程度の水準にとどまる。12年間で市場規模が大幅に落ち込んでおり、早期にかつてのボリュームを取り戻すのは困難だ。
ただ、この価格帯は値上がりが続く国産車と比べても割高ではないため、若年層でも手が届きやすく輸入車市場の間口を広げる可能性がある。JAIAのゲルティンガー理事長も「消費者に選択肢を提供する上で、400万円未満の役割は大きい」としている。26年の輸入車市場がどう動くか、インポーター各社の戦略に注目が集まっている。
(舩山 知彦)

| 対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞2月5日掲載











