2026年2月3日
〈トップインタビュー2026〉日本自動車販売協会連合会、加藤敏彦会長 2026年登録市場は「300万台に期待」
認証不正による供給制約の影響が緩和され、2年ぶりに前年を上回った2025年の登録車市場。安定的な保有基盤にも支えられ、販売会社の収益はおおむね好調だ。ただ、人材不足やコンプライアンス(法令順守)の問題など、自動車販売の業界が抱える経営課題は多い。保有台数が減少に転じる可能性も高まるなど、販売会社を取り巻く環境の変化も予測される中、日本自動車販売協会連合会(自販連)はどう対応していくのか、加藤敏彦会長に聞いた。
―25年の登録車の販売台数は同1.2%増の289万8417台となり、2年ぶりに増加した
「増加はしたが、上期(1~6月)が24年の反動で増えただけにすぎず、下期(7~12月)は前年割れが続いた。25年は各ブランドで新型車が少なかったことが一因だ」
―26年の見通しは
「最低でも295万台はクリアしたい。300万台程度まで上振れすることも期待している。『ジャパンモビリティショー2025』で公開された車が26年に出てくれば、需要の回復が見込める。ただ、新型車以外は、あまり期待できる材料がない」
―「自動車税環境性能割」も廃止される
「26年度の税制改正大綱で廃止が決まったことは素直に評価したい。ただ、今は買い控えの動きも出ている。衆院選の影響でいつ廃止されるかも分からない。足元の状況としては厳しい」
―税制改正では保有課税の見直しが先送りになった
「全部決まるはずが、半分しか進まず、思ったより進展させられなかった。残り半分の見直しに向け、今年も活動を継続していく」
―新車が値上がりしている影響は
「装備が充実しているとはいえ、さまざまなコスト上昇で価格が上がっており、財布のひもがちょっと厳しくなってきているという感じはする。車の価格がさらに上がり、車を買えない人が増えることで、保有の減少につながっていく懸念もあるため、注意していく必要がある」
―全面改良のサイクルも長くなっている
「昔は4年くらいでフルモデルチェンジされていたが、今は6年ぐらいに伸びている。モデルによっては7、8年かかるものもある。そういう動きは、これからもさらに顕著になってくるだろう。(新型車効果を得にくい)販社にとってはつらいが、金融商品の活用などで販売を促進していく」
―人材不足も大きな経営課題だ
「今年は、外国人整備士にスポットを当てた取り組みに力を入れたい。海外に出向いて人材を採用する販社も増えてきているため、そういう事例を会員に共有していく。一方、気になっているのは地域間の格差だ。整備学校に通う外国人の割合は高まっているが、その多くが給料の高い都市部の会社に行ってしまう。このため、経営体力に限りのある地方の会社ほど給料を上げていく必要に迫られている。全国単位ではなく、ブロックや支部単位で地域ごとに最適な対応を考えていく必要があるかもしれない」
―保険業法の改正が控えている
「現時点では見えていない部分も多いが、販売現場の負担が重くなることは間違いない。ユーザーに十分なサービスを提供できなくなることを危惧(きぐ)している」
―コンプライアンスの徹底に向けた対応策は
「過度に会社の生産性を求めた結果、問題が生じるケースもあれば、法制度の変化に追従できずに起きる問題もある。自主点検用のチェックシートを作るような対策も検討したい。1月に施行された中小受託取引適正化法(取適法)については、公正取引委員会などとも連携しながら会員販社に認識してもらえるように引き続き取り組む」
―昨年12月に輸入車部会を立ち上げた
「地域単位では輸入車ディーラー同士のつながりはあるものの、全国の販社で課題を議論するような場所がなかった。今や輸入車は、登録車の10%を占める市場だ。具体的な輸入車ディーラーの困りごとを共有化し、活動内容を詰めていく」
〈プロフィル〉かとう・としひこ 愛知大学法学部卒。1994年4月茨城日産入社。2005年4月社長。20年6月から日産自動車販売協会の会長も務める。自販連は18年2月に副会長に就任し、24年2月から現職。1965年10月生まれ、60歳。
日刊自動車新聞2月3日掲載












