
加藤敏彦会長
日本自動車販売協会連合会(自販連)の加藤敏彦会長は、日刊自動車新聞の取材に応じ、2025年12月に金融庁が公表した保険業法施行規則と監督指針の改正案についての見解を示した。改正の大きな柱は、複数の商品から顧客に最適なものを提案する「比較推奨販売」のルール見直しだ。加藤会長は「どこまで比較すべきか明確になっていない」と述べ、代理店が過剰対応し、そのコストが顧客の負担につながる可能性を危惧(きぐ)した。
新たな保険業法では、代理店都合で特定の保険商品を推奨する販売方法(いわゆる「ハ方式」)が認められなくなる。施行規則と監督指針の改正案では、恣意(しい)的に特定の保険契約へ誘導しないことも定めている。「何でもいい」といった顧客にも、「保険のプロとして顧客が求めるニーズを探り、最適な商品を提案する必要がある」というのが金融庁の見解だ。
もっとも、「説明した上でやはり何でもいいと言われた場合は何回説明すればよいのか」といった販売現場の疑問に対する明確な答えはない。自販連によると、そもそも「商品内容や保険料にほとんど差がないことが一番の問題」という。仮に、商品に差が無いのであれば、有効的に比較推奨販売を行うことは難しいとの見立てだ。
こうした実情を踏まえ、加藤会長は「(比較推奨を)まともにやると1時間では足りない」とも話し、顧客の負担を考慮した柔軟な運用の必要性を指摘した。
加藤会長はまた、規制強化に伴う負担が損害保険会社ではなく、代理店に集中している点についても「大規模特定代理店や比較推奨だけではなく、損保会社がやるべきことを今回の改正の中で明確にしてもらいたい」と注文を付けた。
規制強化に合わせ、損保会社が乗合代理店の数を整理していることなどにも触れ、「顧客本位の業務運営」という法改正本来の趣旨に反し、「顧客のためにならない動きが出てきてしまっている」と問題視した。
自販連ではこうした主張を、1月30日が期限の施行規則と監督指針改正案のパブリックコメントなどを通じて金融庁に伝える。











