三菱ふそうトラック・バス製品の起源は、三菱造船が1932年に開発したガソリンバス「ふそう」だ。2003年から現在の社名になり、今は約170の国・地域で事業展開する。大型車の脱炭素を目指す新たな可能性として、水素を活用したトラックの開発にも取り組んでいる。
安藤氏は、シャシー設計やドイツ駐在、開発本部長などを経験しながら約30年間、ふそうで働いてきた自身の考えを紹介。働くことについて「働くのはお金のためでもなく、社会貢献のためでもなく、生きるため」とし、「常に無人島を想像して考えると面白い」と、生きるために皆が手分けして働く無人島の生活を引き合いに出すなどして学生に問いかけた。キャリアの中で考え方を変える経験もした安藤氏は「(一度の)決断ですべてが決まるとは思わないで欲しい」とも学生に説いた。
同キャンパス内には、「アテナ」(コンセプトカー)と「eキャンターセンサーコレクト」を展示。運転席に乗り込む学生の姿も見られた。
講演に続いて、安藤氏が学生の質問に答えた。主な質疑は次の通り。
―組織の雰囲気を変えるのは難しいと思うが、どのように変えたのか
「とにかく自分が考えていることを隠さず話せるようにすることが大事だ。オンラインでのミーティングを毎月1回1時間、4年以上繰り返して雰囲気が良くなった。加えて、自分自身をさらけ出すことが重要で、スーツを着るのもやめ、できるだけカジュアルで自然体にいるようにした。リモート会議でも背景を隠していない」
―2005年から3年間ドイツに駐在したなかで、今に生きている経験は
「ドイツに3年住んでも自分の考え方は変わらなかったが、自分の世界の外側に生きている人がいることを知った。さまざまな人たちが、さまざまなところで、さまざまな戦いをしているのが勇気になった」
―10年後、20年後に求められるエンジニアの能力は
「ひとつは、一つのトピックを掘り下げていくスキル。もうひとつは、変化に応じて素早く自分を変えていけるかのスキルだろう。私は後者のタイプだった。好奇心をもっていろいろなことを見ていくことや、自分を磨き続けることが大切だ。自分のタイプを見極めて磨くことが、成功の秘訣かもしれない」













