INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2026年1月8日

JARCがリサイクルシステムを大幅刷新 工程ログインID統一、スマホカメラで車台番号取り込みも

自動車リサイクル促進センター(JARC、細田衛士理事長)は、解体・破砕事業者などが利用している「自動車リサイクルシステム」を大幅刷新した。使用済み自動車やフロン類・自動車シュレッダーダスト(ASR)の引き取り・引き渡し状況を登録するものだが、これまで登録工程ごとに複数必要だったIDを統一。車両の詳細な情報が刻印されたコーションプレートをスマートフォンのカメラで撮影すれば、車台番号を登録できるようにするなど、利便性を高めた。

新システムは日立製作所が開発、1月4日の午前7時に運用を始めた。旧システムはパソコンでの利用を想定した画面だったが、タブレット端末やスマホ向けのレイアウトも採用した。デザインは環境を意識した緑基調にしたという。

自動車リサイクルシステムは、運用開始から20年近くが経過し、老朽化や部分改修を重ねたことによる複雑な構造が問題となっていた。特に課題だったのがログインIDだった。

システムは大まかに、使用済み車の引き取り、フロン類回収、解体、破砕の4つの工程に分かれている。各事業者が使用済み車の引き取り・引き渡しを行ったことや、フロン類やASRを適切な事業者に引き渡したことを登録する。ただ、旧システムでは各工程にログインする際、別個のIDが必要で手間暇がかかっていた。新システムでは新たなIDを作成すれば、すべての工程で使える。

また、使用済み車の登録には車台番号を反映する必要があるが、旧システムでは手動で打ち込まなければならなかった。新システムでは、スマホのカメラでコーションプレートを撮影するか、自動車検査証(車検証)のQRコードを読み込めば、自動で取り込むことができる。

車種ごとの情報提供も充実させる。旧システムでも、車種ごとにフロンやエアバッグの搭載状況など、自動車リサイクル法上、回収が必要な装備関連の情報を表示していた。新システムでは、近年加速している車の電動化に対応して駆動用電池の搭載状況も図示する。車種によっては、リサイクル事業者が想定できない場所に電池が搭載されているケースもある。JARCの担当者は「解体事業者などが新しい車種の構造を逐一把握するのは難しい」とし、「バッテリーを外さないまま破砕してしまうトラブルを未然に防げれば」との狙いを説明している。燃料電池車(FCV)にも対応し、水素タンクの有無についての情報も盛り込む。

JARCは、車種情報を持っている自動車メーカーや輸入車の代理店、リサイクル団体などとシステムの連携テストを行って、システムの不具合箇所を修正してきた。JARCはホームページで動画とマニュアルを公開し、新システムの操作方法を説明している。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞1月8日掲載