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2025年12月19日

自動運転トラック「Road to the L4」プロジェクト説明会 仕様やルールを標準化 官民で普及目指す

官民で自動運転トラックの普及を目指す「Road to the L4」プロジェクトの説明会がこのほど開かれ、社会実装に向けた全体像などが明らかになった。プロジェクトの成果として「自動運転トラック活用ガイドブック(仮称)」「レベル4自動運転トラック導入の手引き(仮称)」をまとめ、仕様やルールの標準化を通じて普及を目指す。


説明会の様子

このプロジェクトは、商用車各社や豊田通商などが参画。自動走行技術を用いた幹線輸送の実用化に取り組み、さまざまな実証の成果や課題をまとめる。具体的には、中継エリアの仕様から合流支援・先読み情報支援、運行監視まで、自動運転トラックの実装に必須となる外部支援を体系化。今年度後半には関東~中京区間でトラックを実際に走らせる。

 プロジェクト後は、物流事業者・車両提供者・道路管理者などによる「パイロット事業」として、安全性や事業性の検証に入る。これまでの実証などでは事故は起きていないが、制限速度を守ることで、後続車から接近されるといった「混流」に伴う課題が残るだけに、荷主や一般ドライバーを含む社会的受容性の醸成も課題とされ、実証をもとに全国展開への道筋を探る。

 トラックは乗用車に比べて周辺周辺の検知範囲が広く、車重が重いため急加速・急制動や急な操舵が難しいという特徴がある。特に高速道路上では、今のセンサー技術で前方の障害物を発見してから安全に停止するのは困難とされる。さらに万が一、停車してしまうと、後続車の流れの中でスムーズに再発進するのも難しい。こうした特性を踏まえ、プロジェクトでは、無人自動運転を安全かつ円滑に進める仕組みが示された。

 ①遠隔監視センター

 無人運転に対応する運行監視システム。複数台の自動運転トラックが今、どこを走っているかという位置情報が基本になる。異常時の映像確認では、車両に異常を示すフラグが立つと画面が切り替わり、車両の現在地に加え、前方・左右・後方のカメラ映像が即座に表示される。万が一に備え、監視者が車両周辺の状況を把握するために求められる情報だ。冷凍品などの貨物を確実に届けるためのレスキュー体制としても、遠隔監視は起点となる。

 ②外部支援

 高速走行する大型トラックが車載センサーのみで安全を確保するのは現実的ではなく、路車などの設備を経由した外部支援が不可欠だ。自車では把握できない〝先読み情報〟支援が重要になる。

 特に混雑する高速道路で安全に車線変更を行うためは、前方の障害物情報を一定距離前で把握し、この情報をもとにすることでスムーズに走り続けることができる。また、自動運転中のトラックは、国際的な議論を踏まえ、ターコイズブルーのランプを点灯させ、周囲の高速道路利用者に自動運転車であることを周知する。また今回は、停車時に三角表示板を設置できない場合を想定し、緊急停止時には紫色の点滅灯が点灯する仕組みを取り入れた。点滅灯は、後方からでも鮮明に確認できることが実証された。

 今回、技術と事業面の両輪での成果を総括。走行技術では一定のめどがつき、国土交通、経済産業、警察庁などの関係省庁により、優先レーンの設定や遠隔監視、合流支援などの必要なシステム開発が進んだ。また、幹線輸送における共同運行への移行に対しても、一定のめどをつけることができたという。パイロットプロジェクトではまず、物流事業者、車両提供者、外部支援・制度整備を推進する関係者が共同で特定の区間で事業化するとみられる。

 こうしたパイロットプロジェクトが広がれば、ある事業者が中継エリア(モビリティハブ)を所有していなくても、他社に委託し合うといった形で、自動運転車のネットワークが全国へと拡大していく可能性がある。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞12月19日掲載