2025年12月1日
JAF「チャイルドシート使用状況全国調査」 6歳未満の使用率が初の8割超 3年連続で過去最高

日本自動車連盟(JAF、坂口正芳会長)は、警察庁と合同で実施した2025年の「チャイルドシート使用状況全国調査」の結果を公表した。道路交通法に基づき使用義務がある6歳未満の子どもに対する使用率は、初めて8割を超えて過去最高を更新した。年齢層別で最も使用率が低い5歳も、これまでの5割台から6割後半まで増加した。
JAFと警察庁は5月10日~6月14日、全国99カ所で調査を実施した。対象は自動車に乗車中の6歳未満の子ども1万3104人(車両台数は9731台)。


6歳未満の子ども全体の使用率は前回比4.2ポイント上昇した。過去最高を更新したのは3年連続(20、21年はコロナ禍の影響で調査中止)。
年齢層別では、1歳未満が93.7%と最も高く、次いで1~4歳が84.8%だった。5歳は66.7%と年齢層別では最も低いが、前回比8.8ポイント増と上昇幅は最も高かった。
02年に合同調査を開始してから、使用率が初めて8割を超えたが、使用が義務付けられている6歳未満の子どものうち、約6分の1が依然として不使用との実態もある。乗車位置でみると、助手席における不使用率は28.7%で、後部座席の15.7%と比べて高かった。
年齢層別で不使用状況をみると、1歳と1~4歳で保護者の抱っこが一定数あった。また、1~4歳においては車両のシートまたは乳幼児用ではないチャイルドシートにそのまま着座させていた事例が数%あった。
5歳の使用率が低い理由は、成長して体格が大きくなるにつれて、チャイルドシートを窮屈に感じて嫌がる子どもも多くなる。そのため、車両シートにそのまま着座したり、大人用のシートベルト着用したりすると推測されている。このほか、全国16カ所で乳児用と幼児用のチャイルドシートの取り付け状況と、6歳未満の子ども全体のチャイルドシート着座状況も調査した。
乳幼児用チャイルドシートが正しく取り付けられていたのは74.8%だった。誤用で最も多かったのは腰ベルトの締め付け不足で、次いで座席ベルトの通し方間違いだった。また、チャイルドシートの着座状況は、44.4%が正しく座れていなかった。
チャイルドシートを適正に使用していないと、けがなど重大事故につながる可能性がある。子どもの安全を守るためにも、適正なチャイルドシートの使用が同乗者に求められる。
6歳以上でも体格によっては、大人用シートベルトが首や腹部にかかって危険な場合がある。そのため、JAFではチャイルドシート(ジュニアシートを含む)の使用を推奨する身長の目安を150センチメートル未満とすることを、呼び掛けている。
| カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
|---|---|
| 対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞12月1日掲載











