2025年11月25日
政府、総合経済対策を閣議決定 「強い経済」実現へ 暫定税率廃止 重要物資のサプライチェーン強化
政府は、総額21.3兆円規模の総合経済対策をこのほど閣議決定した。「強い経済」の実現へ①生活の安全保障・物価高への対応②危機管理投資・成長投資による強い経済の実現③防衛力と外交力の強化─を三本柱に据えた。ガソリン・軽油の旧暫定税率廃止をはじめ、重要物資のサプライチェーン(供給網)強化、米関税の影響を受ける中小・小規模(零細)企業への資金繰り支援など、自動車産業もからむ施策も盛り込んだ。裏付けとなる補正予算の年内成立を目指す。
エネルギー費の負担軽減では、ガソリン・軽油の旧暫定税率廃止に伴い、国・地方に目配りしつつ、石油流通の混乱を避ける意味もあり、中小・零細ガソリンスタンドなどを支援する。電力使用量が大きくなる1~3月の電気・ガス料金支援では、標準的な家庭の使用量を前提に、1世帯当たり3カ月で7千円程度の負担軽減効果を見込む。
重要物資の安定供給に向けアンチモン、マグネシウム、ジルコニウムなど9鉱種を重要鉱物の支援対象に追加する。レアアース(希土類)など重要鉱物の鉱山開発や製錬事業への出資・助成による供給源の多角化、国家備蓄の強化を進める。電動車に不可欠な磁石では、生産能力の増強や「省レアアース磁石」開発の支援を強化する。
米国関税政策への対応では、中小・零細企業向けの資金繰り支援や事業環境整備により、国内産業への影響を緩和する。車体課税にも触れ「国際環境の変化を踏まえ、自動車産業の市場の活性化や産業基盤の維持・発展等に配慮しつつ、脱炭素化に積極的に貢献するよう、国・地方の税収中立の下で見直しを検討」とし、引き続き、26年度税制改正で結論を得るとした。
このほか、自動車事故の被害者支援の充実を図るため、自動車安全特別会計から一般会計への繰入金の全額を繰り戻すことも決めた。
日刊自動車新11月25日掲載











