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2025年11月21日

日産、パワトレ生産の最適化へ サプライヤーと体制再編 中小とは共同購買も検討

日産自動車は、パワートレイン(パワトレ)の生産体制を再編する。工場の統合や設備投資など、サプライヤーとともに事業全体を見直して効率化を図る。すでに関係会社のジヤトコや愛知機械工業などと協議を開始した。中小サプライヤーとの共同購買も検討する。電気自動車(EV)の販売が鈍化する中、ホンダやスバルはハイブリッド車(HV)への投資を増やし始めた。日産もコスト競争力を高めながら、各市場のニーズに適した複数のパワトレを供給できる体制を構築していく。

日産のパワトレの中核を担う「eパワー」は第3世代への切り替えが始まった

日産は経営再建計画の中でパワトレ工場の生産体制の見直しも検討していた。イヴァン・エスピノーサ社長は日刊自動車新聞の取材に対し、「車両工場の集約が最優先」と前置きをしつつ、「必ずしも大規模なリストラを必要とするわけではない」と、まずは事業効率化を急ぐ考えを示した。

 日産のパワトレ生産は、国内2拠点をはじめ、米国、メキシコ、タイなどに工場を構えるほか、子会社のジヤトコや愛知機械工業でも行っている。設備の老朽化といった課題を聞き取り、対策を検討し、効率的な生産体制を整えていく。加えて中小規模の調達先では、日産が購買活動を担う可能性も含め、検討している。これによりコスト競争力を高める考えだ。

 「パワトレは長期的な事柄だ」とエスピノーサ社長が話す背景には、需要の変化と予見可能性の低さがある。原油高に加えて、米欧ではこれまでのEVの優遇策から政策を転換させている。ホンダやスバルなど国内外の自動車メーカー各社は、HVへの再投資を相次ぎ発表している。

 日産は2010年に「リーフ」を発売するなど、量産EVに一日の長がある。ただ、24年度の電動車販売はHVを含めても約51万台と、世界販売(335万台)に占める割合は15%程度にとどまる。HV人気が高い国内でも半数を内燃機関車が占める。

 エスピノーサ社長は「いずれはEVに移行するが、予想より遅い。世界は急速に変化しており、さまざまな動力源をどのように優先するべきか、慎重に見極める必要がある」と話す。需要や規制の動向を注視し、踏み込んだ対策が必要か、中長期的に判断していく方針だ。まずはシリーズハイブリッド技術「eパワー」を中核に、各国で複数のパワトレを選択できるよう、供給体制を含めて見直していく。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞11月21日掲載