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2025年11月18日

ブリヂストン、S耐にサステイナブルタイヤ フォーミュラEにも供給計画

 ブリヂストンは15、16日に富士スピードウェイ(静岡県小山町)で行われた国内最高峰の耐久レース「スーパー耐久シリーズ」最終戦で、使用済みタイヤ由来の再生材料を活用したサステイナブルタイヤの供給を始めた。使用比率は非公開だが「ゴムや繊維材、スチール材など我々ができる限りの再生可能、再生材料を織り込んでいる」(今井弘常務役員)という。来シーズン以降も技術改良を進め、同社が2026―27年シーズンからワンメイクタイヤとして供給する電気自動車のフォーミュラレース「フォーミュラE」に備える。

S耐で使用されたサステイナブルタイヤ

サステイナブルタイヤは、自動車メーカーの開発車両が参加する「ST―Q」クラスの2台のマシンに供給した。環境性能と運動性能を両立するタイヤ設計基盤技術「エンライトン」を搭載し、新たな価値として再生材料を使用するサステイナビリティーを付与している。

 乗用車やトラックなど使用済みタイヤを原材料として、ゴムの強度を高めるカーボンブラックや補強層のベルト、タイヤをホイールに固定させるビードワイヤーなどに再生材料が使われている。S耐最終戦ではグリップ力や耐久性などレーシングタイヤとしての性能を検証した。

 同社は8月にオーストラリアで行われた世界最高峰のソーラーカーレース「ワールドソーラーカーチャレンジ」にもサステイナブルタイヤを投入している。再生カーボンブラックや再生スチールを原材料に使用し、再生資源・再生可能資源比率65%以上を達成したタイヤだ。

 サステイナブルタイヤはフォーミュラEにも供給する計画。同社はモータースポーツを走る実験室と位置付けており「ここで得られた知見は全て(市販タイヤに)活用していく」(今井常務役員)方針だ。

日刊自動車新聞11月18日掲載