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2025年11月18日

マツダ、スーパー耐久で車載CO2回収システムをテスト 走るほどにCO2を減らすクルマの実現へ

 マツダは、スーパー耐久(S耐)シリーズ最終戦で、二酸化炭素(CO2)の車載回収システムを試し、4時間で約100グラムのCO2回収に挑んだ。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)燃料と組み合わせ、〝走れば走るほどCO2を減らすクルマ〟を目指す。

 回収システムは、CO2の「吸着」と「貯蔵」の主に2機能を持つ。今回は吸着技術を実証した。微細な穴に分子を吸着する鉱物「ゼオライト」を詰め込んだ直径約12センチメートル×長さ約40センチメートルの円筒形タンクに排出ガスの一部を引き込み、CO2を吸着させた。来年度以降もS耐で検証を続け、貯蔵技術や、回収率を現状の1%未満から20%へと高める研究開発を続ける。

 マツダは、内燃機関の吸排気工程を生かし、CO2の回収とカーボンニュートラル燃料を組み合わせて「カーボンネガティブ」な世界の実現を目指す。電気自動車(EV)以外の脱炭素化技術として欧州メーカーも関心を示しており、国内外の学会でも発信していく考えだ。

 小島岳二専務執行役員は「化石燃料で走るほどにCO2が増える『躊躇(ちゅうちょ)』を払拭できるのでは」と期待する。量産車への搭載は未定だが、「2035年にできる限り近い未来」(小島専務)の実現を目指す方針だ。

日刊自動車新聞11月18日掲載