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自動車産業インフォメーション

2018年2月22日

政府、自動運転の導入効果と課題を明示 メーカー、消費者向けにガイドライン

◆事故・故障時の責任整理
政府は、自動運転技術の実用化をにらんだ環境整備に乗り出す。事故減少などの導入効果と課題を明示したり、自動運転社会の将来像を作るほか、事故や故障時の責任関係を整理し、自動車メーカー向けと消費者向けのガイドラインをまとめる。6月にも改訂する「官民ITS(高度道路交通システム)構想・ロードマップ」に盛り込み、2019年度にも公表する。

導入効果と課題は、事故の減少や渋滞の緩和、高齢者の移動支援などといった生活面に加え、生産性や国際競争力の向上といった産業面からも調査する。調査結果を定量化したうえで、官民による対応シナリオも作成し、成果指標(KPI)とともに示す。併せて、市民の声なども反映させ、自動運転技術が本格的に普及した社会の将来像も示す考えだ。新技術を搭載した車両や輸送サービスに対する社会的受容性を高め、国家プロジェクトへの理解を得たり、混合交通下での混乱回避につなげる。

ガイドラインは、自動車メーカー側の立証責任や技術の啓発活動、消費者側の正しい理解や操作など、それぞれに求められる行動やコミュニケーションのあり方をまとめ、ロードマップ(行程表)とともに示す。自動運転車の故障や事故責任に関する判例がないなか、ガイドラインによりメーカー・消費者双方に期待される役割をあらかじめ明確化し、事故や訴訟のリスクを最小化する。
現在、実用化されている自動運転技術は、運転責任をドライバーが担う「レベル2」だ。2020年から25年頃にかけ、運転操作や責任の一部を車両が担う「レベル3」、専用空間で自動走行する「レベル4」などが相次ぎ実用化される見通し。政府は、この期間を自動運転の導入初期や過渡期と位置づけており、円滑な社会実装を目指す。

日刊自動車新聞2月21日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

政府

対象者 自動車業界