NOKとイーグル工業は10日、共同持ち株会社を設立する方式で2026年10月に経営統合することで合意したと発表した。両社が主力とする自動車部品関連事業を連携するなどして今後、需要拡大が見込まれる電動車向けに付加価値の高い部品の供給などを目指す。共同持ち株会社は東証プライム市場に上場申請する予定で、親子上場を解消、経営効率化を図る。
NOK、イーグル工業それぞれの株式を新設する持ち株会社「NOKグループ」に移転し、NOK、イーグル工業はともに持ち株会社の完全子会社となる。株式交換比率はNOK1株、イーグル工業1株それぞれに持ち株会社の株式1株を割り当てる。26年6月に両社それぞれの定時株主総会で経営統合の承認を得た上で、同年10月に持ち株会社が発足する。
同日開いた25年4~9月期決算説明会で、NOKの鶴正雄社長は「両社ともにシーリングが主な事業だが、イーグル工業は産機、建機、農機の販路を持つなど、得意領域や顧客基盤は異なる。(統合により)拡販や新しい製品群の拡充など、さらなる成長機会を見込んでいる。90周年を迎える2031年にグループ売上高1兆円を目指す大目標のもと、経営計画を策定していく」と語った。
イーグル工業は1964年にNOKのメカニカルシール製造部門が分離・独立して日本シールオールとして発足した部品メーカーで、現在もNOKはイーグル工業に32%出資している。
両社は経営統合することで製品や開発・製造分野でのシナジーを追求する。NOKのオイルシール、イーグル工業のメカニカルシールに関する技術や製品を融合してグループで製品ラインアップを拡充する。生産拠点が重複している国や地域では、連携して効率化を図る。調達部門も連携して規模拡大による購買力の向上を図る。
持ち株会社に両社の間接部門を集約して、業務の効率化も推進していく。今後、統合準備を進める中で、具体的なシナジーを検討していく。
NOKはイーグル工業との経営統合を前に、事務機器用ロール製品事業を手がけるシンジーテックと国内外の子会社を投資ファンドであるSMBCキャピタル・パートナーズに12月にも売却する。また、NOKの現行の中期経営計画は今年度が最終年度となるが、新しい中期計画については経営統合後に公表する。











