2025年10月28日
乗用車メーカー8社の2025年4~9月実績、世界生産2年ぶり増加 国内生産マイナスは米追加関税の影響も
2025年4~9月の乗用車メーカー8社の世界生産台数は前年同期比0.5%増の1193万1895台となり、2年ぶりに前年実績を上回った。海外生産台数が同0.8%増の805万4320台とプラスとなったものの、国内生産は同0.2%減の387万7575台となった。国内生産の約半数を輸出し、そのうちの3割以上を米国向けが占めるだけに、トランプ米政権の追加関税が影響した可能性がある。中国や東南アジアといった主力市場での販売競争も激しく、先行き不透明な状況が続く。
海外生産で前年実績を上回ったのはトヨタ自動車とスズキのみで、この2社が全体を押し上げた格好だ。トヨタは北米や中国、スズキはインドとそれぞれ主力市場で台数を伸ばした。
国内生産はトヨタとダイハツ工業を除き前年実績割れとなった。ホンダや日産自動車などが量販車種の新型車投入が乏しく販売が伸び悩んだ。ただ、ダイハツは認証不正問題に伴う生産停止影響があった前年からの反動で増加するなど、国内販売の8社合計は同0.2%増の198万6948台だった。
販売が増えた一方で国内生産を押し下げた要因が輸出の減少だ。財務省が22日に発表した貿易統計速報(通関ベース)によると米国向けの自動車輸出額は同22.7%減、台数ベースでは2.4%減となった。輸出額ベースで多く減少しているのは、追加関税に伴う価格上昇分を各メーカーが吸収している可能性がある。こうした影響は、各自動車メーカーの25年4~9月期の業績にも表面化しそうだ。
世界販売の8社合計は、前年実績から800台増の1199万7580台となり、2年ぶりにプラスに転じた。海外販売は前年並みの1001万632台だった。
9月の世界生産台数は、前年同月比5.9%増の219万3120台となり2カ月ぶりのプラスとなった。海外生産が同9.1%増となった一方、国内生産は0.2%減だった。世界販売は同1.6%減の203万7425台で、国内、海外ともに前年割れとなった。
日刊自動車新聞月10日28掲載












