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2025年10月24日

ソフト・エレクトロニクス業界、JMSでコンセプトカー披露 AIなどの強みアピール

「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」では、ソフト業界やエレクトロニクス業界から、コンセプトカーの披露が相次ぐ。ソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)化が進む中、人工知能(AI)関連などの強みを訴求。開発で得た知見を基に、自動車メーカーやティア1をはじめ関連企業との共創を推進することなどが目的だ。


SCSKのコンセプト車

今回、大型ブースを構えるSCSK。クルマの「つくり方」をソフトウエア起点で再定義し、9カ月で完成させた電気自動車(EV)を初公開する。進化し続けるクルマの実現を目指したコンセプトモデルで、個々のユーザーに最適化された体験を提供するパーソナライズAIを搭載している。

 通常は3年前後かかるとされる開発プロセスを大きく短縮した。ハードウエアを製造しない同社が、海外パートナーとの水平分業によるエコシステム(生態系)を構築し開発した。

 海外サプライヤーと共同開発した、8K画質の44.6㌅「ピラートゥーピラーディスプレイ」を搭載。運転席や助手席、後部座席で別々のコンテンツを同時に楽しむことができる。

 また、ユーザーの好みに応じたコックピット空間、パーソナライズド(個人化)AIエージェントサービスを提供。ユーザーの好みに合わせたディスプレーの壁紙更新や車内空調制御、観光地の画像検索などを実現する。

 アジャイル(迅速)開発はソフト企業の強みでもあり、同社は「業界を越えた新たな共創パートナーと出会う機会」と位置づける。

 シャープもEVのコンセプト車を披露する。昨年公開したコンセプト車をバージョンアップさせたもの。親会社の鴻海(ホンハイ)精密工業のEV「モデルA」をベースにすることが明らかになっている。同社が家電などで培ったAI技術やIoT(モノのインターネット)、ディスプレー技術も活用して開発を進めている。

 「異業種」によるコンセプト車開発は、技術やソリューションを完成車メーカーやティア1層などにアピールするもの。こうした異業種からの参入が今後も続きそうだ。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞10月24日掲載