2025年10月21日
日本メーカー3社の2025年9月中国新車販売、3カ月ぶり前年割れ 補助金終了などが影響
日本の自動車メーカー3社による9月の中国新車販売は前年同月比3.4%減の27万4996台で、前年実績を3カ月ぶりに下回った。激しい値引き競争に加え、買い替え補助金の終了などが影響したとみられる。
トヨタ自動車は15万8900台(同1.0%減)で、8カ月ぶりに前年割れとなった。買い替え補助金を打ち切る地方政府が増えたほか、10月から各地で開かれるモーターショーでの値引きを期待した買い控えもあったという。
ホンダも5万4544台(同13.1%減)で、19カ月連続減と苦戦が続く。中国で普及する人工知能(AI)による運転支援やインフォテインメントシステムなどの追加投入が待たれる。
日産は6万1552台(同0.3%増)と3社で唯一、わずかながら増加した。けん引役の電気自動車(EV)「N7」は限定車を発売してテコ入れを図る。現地合弁の東風日産は「納車期間を短縮し、1日も早く車両を届ける」としている。
1~9月の3社累計販売は222万6705台で、前年同期比4.3%減だった。
中国自動車工業協会によると、9月の新車販売(輸出含む)は約322万6千台で前年同月比14.9%増。現地で「内巻」と呼ばれる価格競争が激化しており、政府は10月、是正を求める公告を発表。「無秩序な競争は産業の発展、品質と安全性に影響を及ぼす」と過当競争の沈静化にやっきとなっている。
日刊自動車新聞10月21日掲載