2025年10月15日
奈良トヨタ・菊池攻社長に聞く、自民・高市総裁とは? 庶民感覚に期待 環境性能割は凍結を
自民党総裁に就任した高市早苗氏(64)は、クルマ好きで独自の減税案を打ち出すなど自動車業界への理解が深いことでも知られる。30年以上の親交があり、高市氏の地元で2018年1月から「高市早苗連合後援会長」を務める奈良トヨタ(奈良市)の菊池攻社長に聞いた。
高市氏は4日の自民党総裁選で勝利したが、10日には連立政権を組んできた公明党が政権離脱を表明した。企業・団体献金の規制強化について合意できなかった。急変した政治状況について聞いたが、菊池社長はコメントしなかった。9月下旬に大阪市内で開かれた総裁選への「関西総決起大会」以来、高市氏には会っていないという.
20日以降に予定される臨時国会での首相指名選挙が注目される。野党がまとまらない限り、現時点では高市氏が首相に就く可能性が高い。
高市氏は、総裁選での演説会で自動車税の環境性能割を2年間凍結する考えを打ち出した。〝トランプ関税〟の影響で低迷が懸念される自動車産業への支援策とみられる。菊池社長は「(これについては)今後、実行するつもりだと思う」と見立てる。車両価格の実質的な値下げにつながる減税が実現すれば、新車需要を刺激することになりそうだ。高市氏は、ガソリン税の暫定税率(当分の間税率)の見直しも掲げている。
「(高市氏は)日本を再生させたい、元気にしたいと常々言っていた」「経済や格差の問題などに本気で取り組んでくれるはずだ」という。
奈良トヨタは、高市氏のトヨタ「スープラ」(1991年式)を22年にレストアした。「議員になって初めて購入した車だと聞いている」「蘇(よみがえ)ったスープラを見たときはものすごく良い笑顔だった」と菊池社長は振り返る。
このスープラは現在、同社が運営する自動車博物館「まほろばミュージアム」で展示されている。高市氏の総裁就任後、見学客が急増した。炭本和夫館長は「4日の来場者数は30人ほどだったが、翌日は200人を超えた」と驚く。その勢いは週明け後も続き、11日には来場者数が400人を超えた。
高市氏が首相に就任すれば、初の女性首相になる。「庶民感覚があり、市民の気持ちを理解している。そこが一番素晴らしい」と菊池社長は話す。
対象者 | 一般,自動車業界 |
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日刊自動車新聞 10月15日掲載