2025年10月8日
USS、2025年度のAA出品台数 4年連続で過去最高の公算 新車回復受け流通量も拡大
ユー・エス・エス(USS)の中古車オークション(AA)の出品台数が、2025年度も4年連続で過去最高を更新する可能性が高まっている。上期(4~9月)の出品台数は、前年同期比15.9%増の172万4682台。24年度の320万2002台を超すまでには、25年度下期(10~3月)で147万7320台いるが、22年度以降はこの水準をクリアし続けている。加えて、USSの出品台数の推移を見ると、下期が上期を上回ることが多い。今年度はこれまで、新車供給の回復を受け、中古車の流通量も拡大した。10月以降もこの傾向が続けば、通期の前年超えが射程圏内に入る。
USSが6日公表したAA実績によると、25年度上期の出品台数は統計がさかのぼれる1999年度以降で最多となった。すべてのAA会場の出品台数がプラスだった。中古車流通が好調に推移していることに加え、紙の出品票を不要とするなどAAの利便性向上につながるデジタル化を推進してきたことも追い風になった。
例年の動きに倣えば、下期にも期待がかかる。中古車の小売りは毎年、年度末を控えた2、3月に需要のピークとなる。このため、AAでの売買も、前年の12月から増加する傾向がある。実際、USSでも、20年度以降、下期に上期の出品台数を下回ったことはない。仮に、単純計算で、今年度が上期と同数だったとしても、通期で約345万台となり、24年度の実績を十分にクリアできる見通しが立つ。
一方、不安材料もある。6月までプラスだった新車の販売台数は、3カ月連続で下回った。25年度上期では若干のプラスを維持してはいるものの、歯止めがかからなければ下期の市場動向の懸念材料になる。新車販売が増えなければ、下取りや買い取りも発生しにくくなり、中古車の流通台数にも影響が出る可能性もある。
USSでは26年1月に横浜会場(横浜市鶴見区)のリニューアルを予定するなど、各会場の設備投資を推進する方針。出品や競りに参加しやすい環境を整えることで、外部環境の変化に左右されず安定して実績を伸ばせるAA会場づくりを実現していく考えだ。
また、25年度上期の成約台数は、同8.9%増の113万1181台だった。しかし、供給が需要を上回ったことで、成約率は同4.2ポイント減の65.6%に低下した。平均成約単価も同0.8%減の120万8千円となり、2年ぶりに前年を下回った。
対象者 | 一般,自動車業界 |
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日刊自動車新聞 10月8日掲載