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2025年9月19日

国交省、2026年度のスキャンツール補助金を倍増 最大額30万円 現場ニーズの調査も実施

国土交通省は、2026年度に1事業者当たりの「スキャンツール(外部故障診断装置)」最大補助額を30万円と今年度に比べ倍増させる方針だ。合わせて、スキャンツールの機能や汎用性、更新状況など機器の実態や整備事業者のニーズを調査する。政府として自動車整備業の省力化投資を促す方針に沿い、補助制度の実効性やスキャンツールの使い勝手を高め、29年度にもほぼ全ての認証工場にスキャンツールを持たせる考えだ。

「先進安全自動車の整備環境の確保事業」として、スキャンツール導入補助や調査費など8億7300万円を26年度概算要求で盛り込んだ。25年度当初予算(3億6500万円)比で約2.4倍だ。1事業場あたりの補助上限額も今年度の15万円から30万円に引き上げる。

 国交省が定めた一定要件を満たすスキャンツールの購入費用を一部補助するもので、スキャンツールの構成品となるタブレット端末なども補助対象だ。

 補助率については、購入価格の3分の1、機能が限定される一部のスキャンツールは4分の1とする。

 これまでもスキャンツールの導入補助金について、整備事業者から増額を求める声が出ていた。数万円台から数十万円以上と価格に幅はあるものの、機能の高度化などを背景に価格は上昇傾向にあるからだ。複数のスキャンツールを持つ事業者も増えている。

 一方で、近年は普及率が7割近くに達する(24年度で67%)中、スキャンツールを駆使する事業者と、人手不足や後継者不在などで将来の廃業などを見込んで作業を外注する事業者の二極化が進んでいるとされる。スキャンツールの高機能化と汎用性の確保も課題で、単純に補助金の予算を増やしただけでは、整備事業者のニーズに十分応えられない可能性もある。

 このため国交省は、機器の性能や整備事業者の使用実態などを詳しく調査し、補助制度を見直したり、スキャンツールの使い勝手を高めたりする取り組みも進めていく。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞9月19日掲載