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2025年8月26日

ダイハツ、電動車いす「eスニーカー」発売 気軽さや楽しさ強みに

 ダイハツ工業は25日、電動車いす「eスニーカー」を発売した。移動制約者や免許返納後の高齢者などの活用を見込む。価格は41万8千円(消費税非課税)で、年間販売500台を目指す。本社(池田)工場(大阪府池田市)で生産し、ダイハツディーラーやダイハツショップ、業販店で取り扱う。

プロジェクト責任者の鐘堂信吾氏とeスニーカーにまたがる井上社長(右)

 車両サイズは全長1130×全幅645×全高985㍉㍍。取り外し可能なリチウムイオン電池を搭載し、満充電時の航続距離は12㌔㍍。最高速度は時速6㌔㍍のため、道路運送車両法では歩行者と同じ扱いだ。

 電動車いすでは、スズキが「セニアカー」、トヨタ自動車が「C+walkS(シーウォークエス)」をそれぞれ販売する。WHILL(ウィル、杉江理社長、東京都品川区)も複数の電動車いすを展開しており、ダイハツは後発となる。

 ダイハツは、乗車時の目線の高さやスタイリッシュなデザインを強みにシェアを高めていく考え。シートの高さはユーザーの身長などに合わせて3段階で変更できるようにしたほか、急旋回や坂道での自動減速などの機能も備え、安全性も確保した。

 同日、本社(同市)で開いた発表会で、井上雅宏社長は「ちょっとした買い物や家族・友人とのお出かけを気軽に楽しんでもらえる、楽しく、良いパーソナルモビリティに仕上がった」と語った。

 電動車いす安全普及協会によると、2024年度の電動車いす市場規模(出荷台数)は1万9396台(前年度比13.8%減)。ハンドル形4輪車が1万5028台と最多で、次いでジョイスティック操作型が4086台、ハンドル形3輪車の279台などと続く。

 eスニーカーは関西・大阪万博の会場での移動手段として150台を提供し、7月末時点では約2万人が利用した。

日刊自動車新聞8月26日掲載