2025年7月28日
経産省、日米関税協議の合意内容を公表 「非関税障壁」対応で追加試験免除やCEV補助金見直し
経済産業省は、米国の関税措置に関する日米協議の合意内容を公表した。自動車・自動車部品の関税は米国が示していた追加関税を25%から12.5%に引き下げ、既存の税率(2.5%)と合わせ15%となる。一方、「日本車を優遇している」という米国側の主張を踏まえ、米国製乗用車を輸入する際、追加試験の一部免除と「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」制度の見直しを行う。
日米両国は、米国時間22日に関税交渉で合意に達した。自動車・自動車部品への適用日は今後、調整を進める。
CEV補助金に関しては、電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)の補助額差が縮まるよう制度を見直す。現在は最大、EVに90万円、FCVに255万円を支給している。EVメーカーのテスラを抱える米国は、この補助金を「非関税障壁」だと指摘していた。
EV充電器の補助制度も見直しを検討する。テスラなどは「NACS」規格を採用しているが、日本では「チャデモ」規格のみが補助対象となっており、米通商代表部(USTR)が問題視していた。
米国製乗用車の認証試験の簡素化も検討する。現在は、保安基準に適合しているか追加試験を行う必要があるが、「日本の交通環境においても安全」と判断した米国車に関しては不要とする。
また、日本は米国内における自動車や重要鉱物など重要物資のサプライチェーン(供給網)構築に向け、最大5500億㌦(約80兆円)を出資することも決めた。
対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞7月28日掲載