一般社団法人 日本自動車会議所

会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2025年6月24日

日本の自動車メーカー、米国で相次ぎ値上げ トランプ関税の直接影響は否定

 日本の自動車メーカーが米国で相次ぎ車両販売価格を引き上げる。三菱自動車やスバルに続き、トヨタ自動車も7月1日から値上げすることが分かった。トヨタは「通常の価格改定の一環であり、車両価格は商品性に加えて、市場や競合他社の動向を踏まえて決定している」とし、〝トランプ関税〟の直接的な影響を否定した。日米の関税協議は継続しており、国内の自動車メーカーは関税の先行きを注視している状況だ。

 米国は現在、日本から輸入する自動車や部品に対して25%の追加関税を課している。完成車の追加関税は4月3日に発動したが、多くの自動車メーカーは3月中に米国内の在庫車を積み上げ、4月以降は関税影響がない在庫車の販売で凌いできた。ただ、こうした在庫も底をつきはじめ、各社は関税コストをいったん自社で吸収し、販売価格を維持している状況にある。

 米国で販売する新車の多くはイヤーモデル制を導入しており、四半期ごとに販売価格を改定する。そのため、この時期の値上げについては「インフレへの対応など通常の価格改定」(三菱自)と説明している。実際、トヨタの値上げ幅は平均4万円、三菱自は日本円で約11万4千~18万円と、追加関税(25%)分をカバーする水準ではない。

 ホンダの三部敏宏社長は、株主総会で米国の関税政策への対応を問われ「トランプ政権の動向を見極めるのは非常に難しい。見えない中で大きな判断をするのは難しい」と答えた。

 16日(日本時間17日)の日米首脳会談では決着できなかったものの、日米両政府は引き続き、関税交渉を続けている。「7月には関税交渉がひとつの節目を迎える」との見方もあり、自動車メーカーは交渉の行方を見極めて対応を進める考えだ。

日刊自動車新聞6月24日掲載