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自動車産業インフォメーション

2025年5月29日

東京海上、自動車保険申し込みをオンラインで完結 代理店向けシステムを本格運用

 東京海上日動火災保険は、ディーラーなど代理店向けに自動車保険の新規申し込みをオンラインで完結できるシステムの本格運用を開始した。顧客の意向や情報などを一問一答で確認して適切な補償内容を提案し、その日のうちに契約できる。顧客への説明漏れの防止や募集品質の向上につなげ、事前準備を含む保険募集に関する業務時間を半減することが可能という。

 自動車保険オンライン申込システムは「e―Auto(イーオート)」の名称で、2023年12月に一部の代理店で導入した。今年5月から提供範囲をディーラーと整備事業者の代理店に広げて本格運用を始めた。現時点で約140社が導入している。

 利用に当たってディーラー代理店などで費用負担はない。パソコンやタブレット端末とインターネットの環境があれば、同社が発行する専用URLなどからブラウザ上で自動車保険の新規申し込みの手続きを行える。

 ディーラー代理店などの募集人は顧客と対面で端末画面を見ながら、年齢や運転条件などの必要項目を一問一答の形式で入力することにより、最適な自動車保険のプランや月額保険料の試算を提示できる。手続き後すぐに顧客に保険証券を発行・送付する準備も整っているという。

 募集プロセスをデジタル化することで、募集人は必要事項の説明漏れ発生を防止できる。募集人ごとの商談スキルや経験に依存することなく、代理店組織として募集品質の均一化と底上げにもつながる。顧客と対面で一緒に申込書を作成することで、事前準備の時間を短縮できる。引き受け時やその後の不備対応や事務対応なども減って、大幅な業務効率化を期待できる。

 同社では今後も引き続き、ディーラー代理店などに同システムの導入・利用を呼び掛ける。利便性向上に向けたシステムの機能拡充も進める。

 昨年11月施行の改正金融サービス提供法に基づき、損害保険会社と保険代理店は顧客の最善の利益を勘案した保険募集の実施が求められている。人手不足に悩む代理店が多い中、デジタル技術を活用した保険募集体制の構築は課題解決と募集品質の向上に向けた重要な一手となり得そうだ。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞5月29日掲載