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2025年5月22日

大手損保の2025年3月期決算、純利益2年連続過去最高 東京海上が初の1兆円超え

 大手損害保険3グループが20日発表した2025年3月期連結決算は、純利益が各社とも2年連続で過去最高を更新した。年初計画を上回る「政策保有株」の売却益の増加などが業績を押し上げた。売上高に当たる正味収入保険料も全社過去最高となった。海外保険事業が好調だったことに加え、火災保険や自動車保険の料率引き上げが国内保険事業の増収に貢献した。

 東京海上ホールディングス(HD)の純利益は損保会社で初めて1兆円を超えた。国内は増益、海外は減益となったが、政策保有株の売却益が6166億円(税引き後)と大きな増益要因になった。

 MS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)は、国内と海外ともに増益だった。国内については、火災保険が、10年度の三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険の持株会社方式の経営統合以降、初めて黒字に転換した。

 SOMPOホールディングス(HD)は、国内が増益、海外が減益。海外は保険引受利益や資産運用益が増加したものの、事業の会計処理上の問題が押し下げ要因となった。正味収入保険料はSOMPOHDとして初めて4兆円を超えた。

 自動車正味収入保険料と自動車正味支払保険金は、各社いずれも増加した。工賃、部品、保険金の各単価上昇で支払い保険金は増加傾向にある。各社によって影響度合いは異なるが、近年は自然災害の発生が相次いでおり、24年4月には兵庫県で降雹(ひょう)による自動車や住宅への被害が出ていた。

 26年3月期の業績見通しは、東京海上HDとMS&ADHDは政策保有株の売却益の減少などで減益を見込む。

MS&ADHDは傘下の主要損保2社が27年4月に合併する方針。システムや拠点の統合関連費用など「合併に係る一時的な費用」を織り込んだ減益予想としている。この点を除けば増益基調を継続するという。合併によるシナジー効果などは今後の予想で織り込んでいく。

 SOMPOHDは、日本基準から国際財務報告基準(IFRS)に変更した影響で前期業績との比較はできない、としている。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞5月22日掲載