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2025年4月23日

自動運転AIのウェイブ、日本市場に参入 運転支援技術など横浜に開発拠点

 人工知能(AI)を活用する運転支援・自動運転技術を手掛ける英スタートアップのウェイブ・テクノロジーズ(ロンドン)は22日、日本市場への参入を発表した。横浜市内にテスト・開発センターを開設。大手自動車メーカーと協業し、日本で蓄積されるデータを通じAIを搭載する運転ソフトの開発を加速させる。

 まずは運転支援を進め、自動運転への展開も視野に入れる。日本市場をめぐっては、米ウェイモも今月、将来のロボットタクシーサービス実現へ向けてデータ取得などの取り組みを発表。日本を舞台に新興勢が事業を進める形になる。

 日産自動車は今月、ウェイブのソフトを組み込み、高度な衝突回避機能を実現する運転支援技術「プロパイロット」の次世代版を27年度に導入すると発表。ウェイブはAI技術の公道テストを、2018年から英国、24年後半から米国、25年初頭からドイツで実施している。

 異なる運転領域や車両に合わせて、微調整が可能で柔軟な「バックボーン」として機能する単一の統合基盤モデルを開発。「センサーなどのハードや地図情報などへの依存度を減らせる」(アレックス・ケンドルCEO=最高経営責任者)という。

 横浜に開設したテスト・開発センターで、日産との協業を深め、ほかにも開拓を図り、同社の技術の実装を進める。「日本の自動車メーカーのグローバル競争力を強化し、より安全でスマートなモビリティ技術の展開を加速させたい」(同CEO)と意欲を示した。

 ウェイブは24年5月にはソフトバンクグループを含む投資家から計10億5千万㌦(約1500億円)を調達。ソフトバンクのほか、エヌビディアやマイクロソフト、ウーバー・テクノロジーズなどが支援している。

対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞 4月23日掲載