会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2025年4月9日

USS、2024年度の中古AA実績 成約率が11年ぶり過去最高 出品台数は3年連続

 ユー・エス・エス(USS)が7日発表した2024年度の中古車オークション(AA)の実績によると、成約率が前年比2.6㌽増の67.0%となり、11年ぶりに過去最高を更新した。出品台数が同3.8%増の320万2002台と3年連続で過去最高だったが、成約がこの伸びを上回った。中古車市場は根強く推移しており、海外でのニーズも拡大。使用済み自動車の発生台数も不足している。このため、小売りや輸出、リサイクルなどの事業者で中古車の取り合いになり、活発な競りにつながった。これに、会場機能の強化を進めてきたUSSの取り組みも奏功した格好だ。

 成約台数は同8.0%増の214万5158台。200万台を超えるのは初めてという。統計がさかのぼれる1999年度以降で出品台数、成約台数、成約率は最も高かったが、24年度の総開催回数が同3回増の882回だったことも一因になったとみられる。

 中古車需要の拡大などの外部環境の後押しに加え、AAの効率化を目的としたUSSの設備投資も効果が出ているとみられる。例えば、全体の出品台数の約25%を占める東京会場(千葉県野田市)で昨年10月、競りのレーン数を12から16に増設した。東京会場では開催時間が長引いていることが問題になっていたため、この解消を目指したもの。主力会場の使い勝手が高まったこともあり、同会場の24年度の出品台数は同7.9%増の80万3806台となり、全体の伸び率を上回るなどけん引した。

 また、これ以外の会場でも紙の出品票が不要な『デジタル出品』を導入するなど、AAのデジタル化も推進している。中古車事業者がAAに参加しやすい環境を整えていることで、全国規模で出品や成約の実績拡大を後押ししたとみられる。

 平均成約単価も24年度は同14.3%増の120万6千円となり、最も高い水準となった。ただ、落札価格の高騰は高く売りたい出品者を引きつける一方、入札者の中では落札意欲に水を差すケースも生じかねない。25年度はどのような推移をみせるか、注目されている。

対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞 4月9日掲載