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2025年4月7日

「2028年技能五輪国際大会」愛知県で開催 人材育成の重要性を国内外へ発信

 世界最大級の技能の祭典を日本で─。愛知県労働局は、「2028年技能五輪国際大会」の概要説明会を愛知県自治センター(名古屋市中区)で開いた。昨年9月に愛知県での大会開催が決まったことを受け、県内の企業や団体に理解を深めてもらうのが目的。今後は組織委員会や厚生労働省などと連携し、開催準備や周知活動に力を入れていく。

◆自動車業界の選手も活躍

 技能五輪国際大会は、22歳以下の若手技能者を対象とした技能の世界大会で、2年ごとに開催される。24年の第47回大会は仏リヨンで開催され、世界の60の国・地域から約1300人の選手が集結。トヨタ自動車が「自動車板金」と「車体塗装」、デンソーが「産業機械」で金メダルを獲得するなど、自動車業界からも多くの選手が活躍した。次回の26年大会は、中国・上海での開催が決定している。

 同大会が日本で開かれるのは、21年ぶり4回目となる。愛知県での開催は初めてだ。7月に設立される「2028年技能五輪国際大会日本組織委員会(仮)」が主催者となり、28年11月15~20日の6日間の開催を予定。愛知県国際展示場(アイチスカイエキスポ、愛知県常滑市)を競技会場とし、会場と宿泊場所、空港を徒歩圏内に集約することにより、コンパクトで利便性の高い会場構成とする計画だ。開閉会式は、今年7月に開業するIGアリーナ(愛知国際アリーナ、名古屋市北区)で開催される。

◆国際交流プログラムも

 28年大会は、現時点で65カ国以上の国・地域から約5300人の選手や関係者の参加を見込むとともに、来場者の目標として30万人を掲げる。愛知県労働局産業人材育成課技能五輪・アビリンピック推進監の柴田成志氏は「選手らは準備期間も含め2週間程度、日本に滞在することになり、各国の会議や選手らによる交流行事もある」と、大規模な催しになることを説明する。

 国際大会を日本で開催することにより、若手の技能レベル向上のほか、地元の子どもたちに競技職種の魅力を伝え、人材のすそ野を広げるといった効果も期待する。大会期間中は、参加国の選手が近隣の小中学校を訪問する国際交流プログラムなども予定されているという。

 日本代表選手の選考は、27年に開催される技能五輪全国大会などの選考会で実施される予定だ。柴田推進監は「技能五輪はスポーツの五輪のように、誰もが知る大会にはまだなっていない。技能者を尊重する社会の醸成や大会の認知度向上に取り組んでいく」と語った。

対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞 4月7日掲載