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自動車産業インフォメーション

2025年4月3日

2027年の世界自動車産業、GDP最大0.6%下落 日本は0.8%減 ジェトロ予測

 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所によると、米政府による追加関税の影響で、2027年には世界の自動車産業のGDP(国内総生産)が最大で0.6%下がる見込み。対米自動車・部品輸出が年間で約7兆円にもなる日本に限ると0.8%減と影響はさらに大きい。

 同研究所は、トランプ政権の関税政策が27年のGDPに与える影響を①全世界に相互関税(中国除く)②相互関税+中国に20%の追加関税③相互関税+中国に20%の追加関税+各国の自動車産業に25%の追加関税―のシナリオごとに予測した。③の場合、世界全体のGDPと自動車産業のGDPはともに0.6%押し下げられる。

 産業別で見ると、世界の自動車産業は①相互関税(中国除く)をかけられたとしてもGDPに大きな影響はないが、②相互関税に加え、中国に20%の追加関税がかけられた場合、産業全体のGDPは0.5%下落する。特に米国自動車産業のGDPは4.3%減と落ち込みが突出する。中国製部品などの輸入価格が一気に上昇するからだ。この場合、中国の自動車産業GDPも0.8%減となる。ただ、日本の自動車産業は、相互関税によるマイナス影響よりも、対中追加関税によるプラス影響の方が大きくなるとし、産業GDPは1.2%増と見込んだ。

 一方、③相互関税と中国への追加関税、自動車産業に25%の追加関税がかけられた場合、米国の自動車産業GDPが2.2%増加するとの結果が出た。生産の米国回帰や、輸入車の値上げで米国生産車の競争力が相対的に高まるなどの可能性が考えられる。

 反対に、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の恩恵を受けているカナダ(5%減)、メキシコ(11.6%減)の自動車産業GDPは大きく落ち込む。年7兆円規模の対米輸出がある日本の自動車産業への影響も大きく、GDPで0.8%の低下を招くとしている。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞4月3日掲載