2025年3月28日
2024年の世界販売ランキング
自動車メーカーの勢力図が変わりつつある。2024年は日欧米のメーカーが苦戦する中、中国勢が販売を伸ばした。筆頭は比亜迪(BYD)だが、吉利控股集団(ジーリーグループ)や長安汽車集団、奇瑞汽車(チェリー)の販売も増えている。中国勢は輸出のほか海外進出にも意欲的で、今後も存在感が増しそうだ。
24年のランキングは、トヨタ自動車グループ、フォルクスワーゲン(VW)グループ、ヒョンデ自動車グループ、ゼネラル・モーターズ(GM)グループ、ステランティス、フォード・モーターの上位6社が23年と同じ顔触れだった。
ただ、このうちフォードを除く5社の販売は前年を下回った。トヨタグループは認証不正による出荷停止や品質トラブルの影響といった主に供給面の問題で1082万台と同3.7%の減少。GMやステランティスも米国市場の競争激化や欧州の景気悪化などを背景に販売が振るわなかった。日本メーカーでは15位圏内にとどまりつつもホンダや日産自動車、スズキがランキングを下げた。
代わりに存在感を高めたのが中国勢だ。昨年の10位から7位に浮上したBYDは、中国に加え、東南アジアなどへの攻勢を強め、前年比41.3%増の427万台へと販売を急拡大させた。ジーリーグループやチェリーのランキングも上昇した。
中国勢の販売拡大をけん引するのがプラグインハイブリッド車(PHV)だ。マークラインズがまとめたパワートレイン別販売ランキング(2月上旬時点)では上位10社中、7社が中国メーカーだった。第5世代のPHVシステムを24年から展開したBYDが同68.0%増の238万台を販売し、シェア3割を獲得している。
中国のローカルメーカーは、充電インフラが整っていない中国郊外の需要を開拓するためPHVの投入を積極化。ジーリーグループや長安汽車もPHVの台数を5割以上増やした。中国勢がけん引する形で、24年のPHV市場は初めてHV市場を上回った。今後はストロングHVを得意とする日本勢とPHV市場で競り合う構図も予想されそうだ。
対象者 | 一般,自動車業界 |
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日刊自動車新聞3月28日