2025年3月12日
OBD検査の運用状況 導入から5カ月は順調 基準不適合は4.6% 国交省まとめ
国土交通省は「OBD(車載式故障診断装置)検査」の運用状況をまとめた。昨年10月の導入から約5カ月間の累計検査台数は8万3606台。このうち4.6%に当たる3848台で基準不適合が見つかった。指定整備工場におけるOBD検査では、カメラやミリ波レーダーなどの不具合が目立った。同省は「重大な問題は発生しておらず、順調に運用されている」との見方を示した。
OBD検査は、検査用スキャンツール(外部故障診断装置)を車両につなぎ、公的な「OBD検査システム」を通じて特定のDTC(故障コード)が記録されていないか確認するもの。目視などでは不具合が分からない先進運転支援システム(ADAS)の普及を背景に世界に先駆けて導入された。国産車は2021年10月以降、輸入車は22年10月以降のそれぞれ新型車が対象だ。
今年1月末時点におけるOBD検査の対象型式は959型式、検査対象台数は約382万台(登録車266万5336台、軽自動車115万5930台)という。
国交省によると、昨年10月1日から今年2月23日におけるOBD検査実績(「特定DTC照会アプリ」による「OBD確認モード」による判定は含まない)は8万3606台で、このうち3848台で基準不適合が見つかった。実施主体別で、自動車技術総合機構の不適合率が11・9%と指定工場や軽自動車検査協会と比較して高いのはユーザー車検が多いためとみられる。
このほか、指定整備工場のOBD検査結果(昨年11月25日~今年2月23日)を基に集計した主な基準不適合要因もまとめた。一番多かったのはカメラやミリ波レーダーなど「安全装置関係の特定DTC」(1155台)。内訳では「センサーの通信途絶」が最多だった。センサー類のバンパーなどを取り外して行う修理後の結線忘れなどが考えられる。
排出ガス系の基準不適合に関しては「レディネスコード(排ガス関連システムの故障診断履歴情報)なし」(825台)が最も多かった。
DTCを消去後すぐにOBD検査を実施したことが考えられるほか、特定の大型車でこの傾向が見られたという。次いで多かった「通信不成立」(617台)では、VCI(車両通信インターフェース)の差し込み不足やECU(電子制御ユニット)の電源異常、エンジンの始動忘れ、車両情報の誤入力などが考えられるという。
国交省は、OBD検査前に車両確認を徹底して誤入力を減らしたり、適切な検査手順によるOBD検査の実施を呼びかけている。
対象者 | 一般,自動車業界 |
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日刊自動車新聞 3月12日掲載