2025年2月28日
バス会社、採用活動を強化
バス会社が運転士不足の解消を目指し、採用活動を活発化している。テレビCMによるイメージアップに取り組んだり、合同説明会と体験試乗を通じて仕事のやりがいを訴求するケースがみられる。すでに採用数の増加や離職防止に手ごたえを示す会社もあり、運送業界の人材難の改善事例として注目される
名鉄バスのCMキャンペーン第2弾
名鉄バス(瀧修一社長、名古屋市中村区)は、バス運転士の採用活動の一環として、プロフィギュアスケーターの村上佳菜子さんを起用したテレビCMキャンペーンを3月1日から展開する。村上さんの起用は2024年に続く第2弾。同社の今期の運転士採用数は前期比26人増の120人(25年3月末見込み)に増加し、CMを利用した募集活動の効果が表れた。これを受けて同キャンペーンを継続して25年度は同2割増、150人の獲得を図り、運転士不足の解消を目指す。
新CMは、村上さんが「運天使(うんてんし)」というキャラクターに扮し、「運転士が運命のお仕事」というキャッチフレーズで求職者に優しく語り掛けるストーリーに仕上げた。このCM放映に合わせて、3月26日から4月1日まで名鉄百貨店(同)に設置される身長6メートル強の巨大マネキン型広告塔「ナナちゃん人形」を天使の羽をつけた運天使のコスプレで装飾するなど、CM連動型キャンペーンを複数実施して採用活動の注目度を高める。
同社は、ベースアップや制服デザインの見直しなど人材定着に向けた施策にも取り組んでいる。その結果、24年度の離職者数が前期比37人減の62人にとどまる見通しになった。これと新規採用の差し引きで運転士数は58人増となり、18年度以来6年ぶりの純増になるという。
今後も採用活動、勤務環境の向上に力を入れて、人材確保につなげていく。
東京バス協会(南正人会長)は、東京・お台場の青海地区駐車場で「バス運転体験・合同就職説明会」を開催した。当日、会場を訪れた167人(うち女性11人)のドライバー希望者に最新車両の試乗機会を提供すると同時に、各社の採用担当者との面談などを通じてバス業界の仕事の魅力を発信し、人材獲得を目指した。
会場となった駐車場には都内ス会社37社が参加。路線バスをはじめ最新の電気自動車バス(EVバス)、水陸両用バスなど39台を展示した。駐車場では、プロのドライバーによる指導のもとで大型バスの試乗を体験してもらった。合わせて人事担当との面談ブースを設置するとともに、バス業界で働くためのキャリア形成セミナーを開いた。
対象者 | 大学・専門学校,一般,自動車業界 |
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日刊自動車新聞2月28日掲載