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自動車産業インフォメーション

2025年2月26日

政府、企業に適正取引パートナーシップへの参画促す

 政府は、取引適正化の実現を企業自らが表明する「パートナーシップ構築宣言」の参画企業を増やす。所管省庁を通じ、各業界団体の役員企業に参画を促すほか、宣言企業に対する補助金や税制などの優遇措置を拡充する。一方で、一部の宣言企業が下請法(下請代金支払遅延等防止法)に違反したとして公正取引委員会から勧告を受けたことを踏まえ、宣言の「公表要領」を見直し、宣言企業の公表を取りやめる要件を明確化する。来年度からの施行を見込む。

 パートナーシップ構築宣言は、サプライチェーン(供給網)全体の付加価値向上や大企業と中小企業の共存共栄を目指して、企業が「発注者」側の立場から取引適正化の順守などを宣言するもの。2020年から始まり、宣言企業は約6万社ある。 

 多くの取引先を抱える大企業(資本金3億円超)は約2700社。過去5年で増えてはいるものの、「宣言率」は大企業全体の約22%にとどまる。このため、大企業の宣言拡大を一層促すことが必要と判断した。

 新たな取り組みとして、自主行動計画で宣言拡大を表明済みの各業界団体について、所管省庁から団体の役員企業に宣言を働きかけ、進ちょくも確認する。宣言企業を優遇する補助金・税制措置の拡充も所管省庁ごとに検討し、財務省との協議を経て3月末までに内閣府と経済産業省でまとめて公表する。

 公募要領の明確化は近く行う。宣言公表の取りやめから再宣言を行う場合、取りやめから1年が経過した上で、不適切事案の改善を図ったことを所管省庁に説明することを新たに求める。また、6月をめどに宣言のひな形も改正する。「サプライチェーンの頂点企業が、直接の取引先の更に先に存在する取引先までの価格転嫁を見据えた価格決定を行うこと」を表明することなどを追記する。

 政府は一連の取り組みを通じ、価格交渉・価格転嫁の商習慣化させて中小・小規模(零細)企業の賃上げなどにつなげていく。

対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞 2月26日掲載