2025年2月25日
経産省、電池技術学習用の教材を作成 高校や大学での人材育成に
経済産業省は、産学連携を支援する一環として、高校・高等専門学校(高専)・大学向けに、学生が電池技術を専門的に学べる教材を作成した。電池関連企業の最前線で働く技術者と次世代の技術者を輩出する高専の教員が議論を重ねてつくったという。経産省としては、授業で活用する学校を増やし、国内の電池産業の将来を担う人材を増やしていく考えだ。
電池に関する教材「ステップ2」は、「関西蓄電池人材育成等コンソーシアム」と共同で開発した「バッテリー教育プログラム」に基づき作成した。12テーマ(約500ページ)で構成し、学校で学ぶことが実際の現場でどのように役立つかなどを分かりやすく解説している。学校側で学生の理解度などに合わせて教材のレイアウトを変更することができることもステップ2の特徴だ。
経産省はまた、学校で実施できるよう、安全に配慮した電池に関する実習事例を紹介した実験集なども作成した。
昨年度は、学生が電池に関心を持つことを目的とした入門編の「ステップ1」を作成し、現在は全国26校に展開されている。
経産省は20日、新教材の披露を含めた「バッテリー人材開発プログラム発表会」を都内で開いた。商務情報政策局の青木洋紀電池産業課長は、ステップ2を「学業と産業のつながりを意識した教材だ」と紹介し「今後も日本のバッテリー業界を支える人材を1人でも多く育成していくため、産学官一体で取り組みを進める」と語った。
電池工業会の髙田浩総務・調査担当部長は「産業界の熱意をしっかりと盛り込めた非常に良い教材だ」と評価した。石川工業高専電気工学科の山田悟教授は「教材を全国の高専に展開することを目指すとともに、工業高校や大学に高専の知見を広げていければ」と語った。
発表会では、教材の作成を担当したパナソニックエナジーの関係者が教材の1テーマである「リサイクル」についてデモ授業をした。「電池が発展することで未来はどう変わるのか」をテーマにしたトークセッションも行った。
日刊自動車新聞2月25日掲載