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自動車産業インフォメーション

2025年2月20日

整備業界団体、順法意識の定着を推進 第三者チェックや講習会 ユーザーにも広報

整備業界団体が、コンプライアンス(法令順守)の強化に向けた取り組みを急いでいる。BSサミット事業協同組合(磯部君男理事長)は、5月から第三者による法令順守チェックを義務化する。日本自動車車体整備協同組合連合会(日車協連、小倉龍一会長)は、2025年度の教育事業で法令順守をテーマに講習する。自動車業界ではここ数年、不適切な事案が相次いだことで、コンプライアンスの徹底などが求められている。社会的な要請に加え、個々の事業者でも順法意識が高まっている。この機に応じてさらなる定着を図っていく考えだ。

 BSサミットは5月以降、組合員の新規加入時の第三者による認証・指定工場の業務に関する法令順守チェックを義務化する。既存の組合員にも年1回の実施を義務付ける。磯部理事長は、「第三者の目を入れて、組合員から絶対に法令違反を出さないという決意で進める」と狙いを説明する。BSサミットでは第三者機関が監修した車体整備の独自認定制度を16年から運用するなど対策を進めてきたが、さらに加速することになる。

 日車協連は車体整備士資格者向け高度化車体整備技能講習で、新たに「車体整備業のガイドライン」編を実施する。国土交通省の「車体整備の消費者に対する透明性確保に向けたガイドライン」をベースとした内容を取り扱う。

 事故車の撮影に関する項目は、日本損害保険協会(損保協、城田宏明会長)に監修を依頼した。損保協は昨年9月に「修理工場向け写真撮影手引」を公表していた。「撮影の指導を受けた経験がある所属員は少ない」(日車協連)として、損保協のノウハウを有効活用する。保険修理時の透明性を高めるほか、損保会社との交渉で修理費用を決定する協定の円滑化にもつなげたい考えだ。

 日本自動車車体補修協会(JARWA、吉野一代表理事)も4月から、国交省のガイドラインなどに準拠したとする「自動車修理〝見える化〟認定制度」の運用を本格化する。ユーザー向けの広報活動を強化するなど、各事業者の取り組みを業界外にも周知していく方針だ。

 自動車の流通業界では法令違反に関わる不祥事が散見され、社会から厳しい目が向けられている。加えて、整備業界では特定整備の経過措置終了といった制度改正もあり、各事業者は今後、より法令順守を意識した業務が求められている。こうしたタイミングで、法令順守の徹底や定着に力を入れることで、業界の信頼回復につなげる。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞2月20日掲載