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2025年2月19日

国交省の仕事体験事業、整備人材「種まき」の機会に 静岡と沖縄をモデル地区 全国開催促進へ

国土交通省による「自動車整備の仕事体験事業」が始まった。静岡と沖縄の両県をモデル地域とし、県内の業界団体や整備事業者などが主体となって実施している。両県合わせて92人の高校生から参加申し込みがあり、31社(59工場)が受け入れる。国交省はモデル事業を通じて仕事体験事業の運営マニュアルを作成し、こうした仕事体験を全国で開いてもらいたい考えだ。

 静岡は1月25日から、沖縄は今月15日からそれぞれ始めた。自動車関連団体でつくる「自動車整備人材確保・育成地方連絡会」が中心となり、高校や整備事業者への周知と参加者の仲介を進めてきた。学生の休日を利用し、土曜日に開く。

 8日に日産プリンス静岡(藤田健司社長、静岡市駿河区)の藤枝店(静岡県藤枝市)で行われた仕事体験事業には、2人の男子高校生(16歳)が参加した。現役の整備士から整備の仕事に関する講習を受けた後、工場内でオイル交換やタイヤの脱着作業などを体験した。参加したうちの1人は「将来は自動車関係の仕事に就きたい」と話す。仕事体験を通じ、その思いを強くしたという。

 今回、高校生を受け入れた日産プリンス静岡としても、将来の整備士志望者を育む〝種まき〟の機会として捉えている。後日、仕事体験のもようなどをレポートにして出身校の教職員に報告し、整備士の魅力や企業の取り組みなどのPRに役立てていく。

 仕事体験事業を見学した静岡県自動車整備振興会の関係者は「『クルマは面白い』と思ってもらわないと、将来の整備士につながらない」と話す。

 国交省は、高校と整備事業者をマッチングする仕組みや、仕事体験を受け入れるためのノウハウなどをまとめたマニュアルを今年度内にも作成し、配布する方針だ。このマニュアルを参考に4月以降、全国各地で同じような仕事体験事業を開いてもらいたい考えで、支援策も検討していくという。

対象者 中高生,一般,自動車業界

日刊自動車新聞 2月19日掲載