会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2025年2月7日

2024年の中古車輸出、前年比2%増の156万台 2年連続で過去最高

日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA、佐藤博理事長)が公表した2024年の中古車輸出台数(車両価格20万円以上)は、前年比2.0%増の156万6621台となり、2年連続で過去最高を更新した。前年超えは4年連続。仕向け地別ではアラブ首長国連邦(UAE)がロシアを上回り、4年ぶりの首位に立った。輸出拡大を下支えした円安は依然続いており、25年も高水準を維持するとみる関係者が多い。

JUMVEAの統計を日刊自動車新聞がまとめた。24年は、春ごろに紅海の情勢が悪化したことで海上輸送の運賃が上昇。米政府の輸出規制強化に起因するコンテナ不足も重なり、6、7月は前年同月に比べて2桁減に落ち込んだ。ただ、昨夏以降、こうした問題が解消に向かった。年間を通じて為替が1㌦=140~160円のレンジで推移し、日本の中古車の割安感が高まったことも大きく、輸出の拡大を支えた。

 国別で首位のUAEは、同10.9%増の22万6076台。UAEは周辺諸国へのハブ拠点にもなっており、アフリカや中東での日本車需要が実績を押し上げた。2位のロシアは、同8.7%減の19万9098台にとどまった。日本政府が23年夏に実施した輸出規制の厳格化が響いた。

 輸出が好調だったことから、国内では中古車の品不足が続き、仕入れ価格が上昇している。こうした中でも、ある輸出事業者は「海外では日本車の人気が高く、仕入れ価格が高まっても価格転嫁しやすい」と話す。JUMVEAの佐藤理事長も「コロナ禍のような不測の事態が起きない限り、25年も中古車輸出の規模は成長するだろう」と、今年も輸出が拡大していくと読む。

 12月単月では前年同月比3.8%減の13万5152台だった。国内の新車販売が下振れしたことが影響し、3カ月ぶりのマイナスとなった。ただ、海外で中古車を求めるニーズが根強いことから、輸出関係者の中では落ち込みが一時的なものとの見方が少なくない。

 

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞2月7日掲載