2025年1月21日
2024年の国内電動車販売、HV快走 乗用車の占有率は6割迫る PHVとEVはテコ入れ急務
燃料高を背景に国内でハイブリッド車(HV)販売が再加速している。2024年の伸び率は1割近くになり、乗用車販売に占める割合は6割に迫った。一方、プラグインハイブリッド車(PHV)と電気自動車(EV)は前年割れだ。「マルチパスウェイ戦略」の下、商品力やコスト競争力を磨く上でも、PHVやEVの販売テコ入れが課題になりそうだ。
24年の電動車(乗用車、登録車と軽自動車の合計)販売は214万3746台(前年比6.7%増)だった。けん引役はHVで、204万181台(同9.2%増)を販売した。HV販売が年間200万台を超えるのは初めてだ。メーカー別では「フリード」の新型車効果で販売を伸ばしたホンダや、商品改良した「セレナ」が好調だった日産自動車などが販売を伸ばした。スズキや三菱自動車が軽自動車に設定したマイルドHVも人気だった。
新車販売に占める電動車比率は57.5%となり、前年から7.2㌽増加した。
一方で、EVとPHVは振るわず4年ぶりの前年割れで、特にEVは5万9736台(同32.5%減)と前年より3割以上も減った。シェア首位の日産が同43.9%減の3万749台と失速した。「サクラ」の新型車効果が薄れたほか、相次ぐ値上げも響いたとみられる。EVを扱うトヨタやホンダ、スバル、三菱自動車、マツダの全社で販売が減った。例外は2223台(同53.7%増)を売った比亜迪(BYD)などの輸入車勢だった。
PHVも前年比で減少したが、足元では販売が上向きつつある。昨年11月に9カ月ぶりに増加し、12月もプラス基調が続いた。三菱自動車が「アウトランダー」を大幅改良して販売を伸ばしたほか、トヨタやマツダも新型PHVを投入したためだ。
もっとも世界でEV販売の勢いが一服する中、〝電欠〟を心配せず長距離を走れるPHVへの関心が高まり、中国勢が開発に力を入れている。日系メーカーとしてPHVの商品力を高めるためにも、品ぞろえと販売をさらに増やす必要がありそうだ。
12月の電動車販売は前年同月比0.3%減の16万513台で6カ月ぶりのマイナスとなった。電動車比率は3.9㌽増の57.2%。EVは減少が続いた。
日本自動車販売協会連合会(加藤敏彦会会長)と全国軽自動車協会連合会(赤間俊一会長)の発表を基にパワートレイン別の電動車販売をまとめた。
日刊自動車新聞1月21日掲載