2025年1月16日
国交省、整備業の職場体験・見学の受け入れマニュアルを作成 事業者や団体の自主的な運営支援
国土交通省は、自動車整備業の学生体験会や、高校などから職場見学者を受け入れるマニュアルを今年度中につくる。これらのマニュアルを参考に、地域の団体や整備事業者らが体験会や職場見学を自主的に運営できるようにする。自動車整備士を増やすには、学生のうちに仕事を体験してもらうなど職業選択の材料を提供することがカギだ。国交省は来年度以降、整備業界のこうした取り組みを支援し、整備士不足の緩和につなげたい考えだ。
国交省は整備士不足に対処するため「自動車整備士の仕事体験事業」を2023年度から始めた。同年度は全国で実施し、約260人の高校生らが整備士の仕事を体験した。24年度は、静岡と沖縄の両県に実施地域を絞り、自動車関連16団体で構成し、都道府県単位である「自動車整備人材確保・育成地方連絡会」を中心にこの事業を実施する。参加対象は高校1~2年生で、定員は最大50人。静岡は今月25日から、沖縄は2月中旬から3月末まで実施する予定だ。
同省自動車整備課によると、参加学生は普通科から商業科、機械工学科、機械科など幅広く、女子学生もいるという。
国交省は、24年度分を含めたこれまでの事業で得るノウハウや好事例をマニュアルにまとめる。これとは別に、高校などからの職場見学者を整備事業者が受け入れるマニュアルもつくる。大手と異なり、整備事業者はこうした採用活動に不慣れなためだ。いずれも今年度中にマニュアルをまとめて公表し、25年度から全国で活用できるようにする。
国交省の多田善隆・自動車整備課長は「25年度以降は、全国各地において業界団体主導で仕事体験事業などの人材確保に向けた取り組みが持続的に実施されることを期待する。国交省としても支援していきたい」と語った。
23年度の仕事体験事業(茨城トヨタ
水戸千波店)=国交省提供
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞1月16日掲載