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2025年1月14日

2024年の米国販売 日系6社が前年超え

2019年以来の高水準となった2024年の米新車市場で日本メーカーがハイブリッド車(HV)で販売を伸ばした。日本の6社を合わせた新車販売は前年比6.2%増の588万2438台となり、2年連続で増加。トヨタ自動車やホンダをはじめ、全社が前年実績を上回った。一方、25年は次期トランプ政権による通商政策が見通せず、不透明な側面もある。

 調査会社のマークラインズによると、24年の米国新車販売は同2.1%増の1595万4053台となり、2年連続で増加した(速報値ベース)。前年よりも営業日が2日多かったことに加え、インセンティブ(販売奨励金)の増加や米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げなどが販売を後押しした。特に燃料高を踏まえ電動車の需要が増えた。

 トヨタは同3.7%増の233万2623台だった。このうち電動車は同53.1%増の100万6461台と大幅に増えた。米国で電動車販売が100万台を超えたのはトヨタとして初めて。電動車比率は43.1%と前年から13.9㌽上昇した。HV専用モデルに切り替えた「カムリ」の販売が同5.8倍の20万5156台と好調だった。 ホンダは同8.8%増の142万3857台となり、電動車が同18.9%増の34万9020台に増えた。「CR―V」などのSUVが好調だった。 スバルやマツダ、三菱自動車も主力のSUVが好調に推移し、販売が増えた。スバルは12月まで29カ月連続で増加。三菱自は通年で過去最高の水準だった。米国でHVを設定していない日産は競合と比べて苦戦したものの、小型車「セントラ」や小型SUV「キックス」を中心に前年を上回る実績を確保した。

 日本メーカー以外では、ゼネラル・モーターズ(GM)が同4.3%増の268万9399台でシェアトップだった。フルサイズのピックアップトラックの販売が07年以来の高水準で推移した。フォードは同2.7%増の203万5295台で、HVの販売が過去最高を記録した。一方、テスラは同7.3%減の60万4千台と初めて年間ベースで前年実績を下回った。ステランティスも同15.0%減の130万4755台で、電気自動車(EV)販売も振るわなかった。

 25年もHVを含め堅調な需要が見込めそうだが、各社はトランプ次期大統領の政策を警戒する。7日には経済損失が9兆円規模とも試算される大規模な山火事が米カリフォルニア州ロサンゼルスで起きるなど、波乱の年明けとなった。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞1月14日掲載