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2024年12月20日

政府、脱炭素化の国家戦略「GX2040ビジョン」概要公表

政府は19日、2040年に向けた脱炭素化の国家戦略「GX2040ビジョン」案の概要を公表した。40年に目指す産業構造や産業立地を示し、自動車を始めとする主要産業での投資方針などを盛り込む。GXを加速するための長期ビジョンとして位置付ける。詳細を示した素案は来週にも公表する見通しだ。

 政府は22年に「GX実行会議」を設置し、経済成長と脱炭素化の両立を目指して議論を重ねてきた。昨年7月には政府方針「GX推進戦略」を閣議決定。「GX経済移行債」などで財源を手当てし、今後10年間で官民合わせて約150兆円超の脱炭素化投資を生み出す目標を示した。

 年内に素案がまとまるGX2040ビジョンでは、40年に目指す産業構造や脱炭素電源の活用を見据えた産業立地策、成長志向型カーボンプライシング構想を実現するための制度や措置などを盛り込む。

 また、デジタル・トランスフォーメーション(DX)による電力需要増に対応するため、再生エネルギーの拡大や原子力発電所の再稼働、火力発電の脱炭素化に必要な投資の拡大策なども示す。批判が根強い石炭火力に関しては、国際的な議論を踏まえた上で方針を示す考えだ。

 電気自動車(EV)などの「次世代自動車」や「蓄電池」、「半導体」といった主力製品・産業に対しても、GXを加速させるための取り組みを示す。

 昨年末にGX実行会議内でまとめた「分野別投資戦略」では、自動車・電池分野に対し、今後10年間で官民合わせて約34兆円規模の投資を生み出すことや、国内で自動車から排出される二酸化炭素(CO2)排出を約2億㌧削減するといった目標が盛り込まれた。ビジョンでは、次世代自動車の普及に向けた取り組みなどが示されると見られる。

 GX2040ビジョンの素案は、来週にも開かれるGX実行会議で示される見通し。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞12月20日掲載