2024年12月11日
石破首相 自賠責保険料繰り戻し、「極めて重要」認識示す
石破茂首相は9日の参議院本会議で、国の一般会計に貸し出された自動車損害賠償責任(自賠責)保険料の自動車安全特別会計への繰り戻しについて、「自動車事故の被害者支援などを安定的、継続的に行う上で極めて重要な課題である」と認識を示し、「着実に繰り戻しを進める」と述べた。
国民民主党の浜口誠参院議員の質問に答えた。一般会計から自動車安全特別会計への繰り戻しは、財務相と国土交通相の大臣間合意に基づき、2024年度当初予算で65億円の繰り戻しを行った。9日の衆参両院で審議に入った24年度補正予算案には35億円の繰り戻しを計上し、当初予算と合わせて前年比27億円増の100億円の繰り戻しを予定する。
関係閣僚も答弁に立ち、加藤勝信財務相は「財政事情は厳しいが自動車事故の被害者支援などは重要な課題。大臣間合意に基づき、一般会計からの繰り戻しを着実に進めていきたい」と述べた。中野洋昌国交相は「引き続き、財務省に対して全額の繰り戻しに向け、着実な繰り戻しをしっかりと求めていく」と答えた。
1994年度と95年度に、運輸省(当時)は大蔵省(同)の求めに応じ、厳しい財政事情を勘案して自動車安全特別会計(当時は自動車損害賠償責任再保険特別会計)から一般会計に約1兆1200億円を繰り入れた。繰入分は毎年度に分割して一般会計から繰り戻すこととされていたが、2004年度から中断して18年度に再開した。22年度末時点で利息と併せて約6千億円の繰り戻しが未だ完了していない。
浜口参院議員は「(24年度当初予算65億円の)このペースでは、全額繰り戻すのに100年かかる。自賠責保険料は税金ではない。少なくとも10年以内に全額繰り戻すことを強く求める」と述べた。
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞12月11日掲載