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2024年12月03日

キズキ 都内に電動モビリティ体験型施設

二輪車の販売やレンタルを手掛けるキズキ(松崎一成代表、東京都町田市)は29日、電動キックボードなどの「特定小型原動機付自転車(特定小型)」を試乗できる体験型施設を東京都内の複合商業施設に開業した。特定小型は2023年7月に施行された改正道路交通法で新たに定義されたことをきっかけに、利用者が広がる。一方、交通ルールやマナーの周知が不十分なため、同施設で安全講習を実施し、安全な乗り方を周知する。また、環境規制が厳しくなる中、こうした新たな電動モビリティに関心が高まっており、魅力を伝えられる場にも役立てる。

同社はイオンモールむさし村山(東京都武蔵村山市)のイベントスペースの一角に、体験型施設「eモビリティパーク東京多摩」をオープンした。施設内には約100㍍の試乗コースを設置。来場者は約20種類の電動車の中から1台を選び、運転できる。同社によると、「特定小型や電動二輪車をそろえた常設型の体験施設は全国的にも珍しい」という。利用料金は20分220円(消費税込み)。

来場者はまず特定小型などの概要や交通ルールを学ぶ動画を視聴する。特定小型は16歳以上であれば、運転免許が不要だ。しかし、ヘルメット着用の努力義務や歩道が走れないといったルールがあり、同施設ではこれらの周知徹底にも力を入れる。

試乗コース内には、街中で見られる段差や点字ブロックを再現した。特定小型は車輪の直径が小さいものが多く、少しの段差を乗り越えるのに苦労するケースもある。さらに、速度のついた状態で乗り上げると事故の恐れも高まる。そのリスクを体感してもらうことで、実際に公道で運転した際の速度抑制やマナー向上につなげる狙いだ。

施設では、排気量50cc以下の第一種原動機付自転車に該当する電動車や、普通自動二輪免許が必要なモデルも用意した。四輪車と同様に、二輪車でも脱炭素化の機運が高まっており、政府は25年11月に新たな排ガス規制の適用を予定している。

同社ではこうした動きを商機と捉えており、さまざまな電動二輪車を試乗できる場をいち早く提供することで、新たなユーザーを取り込む狙い。松崎代表は「電動化によって変わる商品構成にわれわれも対応する必要がある」とし、「新しい顧客との接点の創出につなげる」と語った。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞11月30日掲載