2024年12月03日
政府、24年度補正予算案閣議決定 自動車関連はCEV導入促進など
政府が11月29日に閣議決定した2024年度補正予算案で、自動車関連分野にはクリーンエネルギー自動車(CEV)や商用電動車の導入補助金などが盛り込まれた。30年度を目標とした中長期計画に基づく物流の革新や地域の移動課題解決に向け、自動運転の社会実装・事業化も後押しする。補正予算案を今臨時国会に提出し、速やかな成立を目指す。
経済産業省は、「CEV導入促進補助金」に1100億円、「充電・充てんインフラ等導入促進補助金」に360億円を計上した。充てん設備については、燃料電池(FC)商用車の導入促進を図る重点地域に対して集中支援を行う。
電気自動車(EV)や自動運転などの普及に伴い需要増加が見込まれる半導体や人工知能(AI)の関連産業を支援するために約1兆5千億円を計上した。このうち、約5千億円は先端半導体の国内生産拠点整備の支援に充てる。
経済安全保障の確保につながる投資の支援などにも力を入れる。各国で権益確保競争が激化する銅や供給国に偏りがあるレアメタルの確保と供給安定化を目指す民間企業の出資などの支援として、政府保証付借入金を含めて約1600億円規模の予算を確保した。国が銅の権益獲得の資金を支援するのは今回が初めて。
国が定めた重要物資のサプライチェーン強靭化支援に1978億円を確保。そのうち、蓄電池、部素材・製造装置の設備投資や技術開発に対する支援に1778億円を充てる。
中堅・中小企業の生産性向上と賃上げを支援するため、ものづくり補助金などを拠出する「中小企業生産性革命推進事業」に3400億円を確保するなどした。ガソリン小売価格などの抑制を図る「燃料油価格激変緩和対策事業」は1兆324億円を盛り込んだ。
国土交通省は、政府が定めた30年度を目標に物流の革新を目指す中長期計画を踏まえ、「物流の効率化」「商慣行の見直し」「荷主・消費者の行動変容」の取り組み支援に約370億3千万円を計上した。物流事業者などに対する高速道路料金の大口・多頻度割引を26年3月末まで延長する。
地域交通の再構築(リ・デザイン)や「交通空白」の解消に向けた予算として約363億円を確保した。「公共/日本版ライドシェア」の全国展開などの取り組みを支援する。
経産省と国交省はまた、自動運転の早期社会実装とサービス実用化に向けた予算も盛り込んだ。自動運転タクシーの開発・実証や、高速道路などに設ける「自動運転サービス支援道」の整備などを図る。
環境省では、経産省と国交省との連携事業である「商用車の電動化促進事業」に約400億円を計上した。今回から補助対象に建設機械を加えた。また、経産省とともに産学官連携で行う自動車向け再生プラスチックの供給拡大・再生材市場構築に向けた調査などに約10億円を確保した。
カテゴリー | 会議・審議会・委員会 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞12月3日掲載