2024年11月29日
国交省 「交通空白」解消へ、官民連携プラットフォーム立ち上げ
国土交通省は25日、移動手段の確保が難しい「交通空白」の課題解決を目指す「『交通空白』解消・官民連携プラットフォーム」を立ち上げた。自治体、交通事業者をはじめ商業・農業・教育・介護などさまざまな分野の企業・団体間における連携・協働を促し、実証事業を後押しするのが狙い。同時にモビリティを通じた全国各地の「共創モデル」を水平展開し、産学官一体で公共交通と地域経済の活性化につなげることを目指す。
同プラットフォームには、25日時点で自治体や交通事業者など計167者が参画。自動車関連以外ではIT(情報技術)・デジタル、エネルギー、商業・農業、金融・保険、福祉・教育、観光などの企業・団体が名を連ねる。地域交通問題に詳しい有識者や複数の関連省庁も参加する。
同日、国交省で行われた初会合で中野洋昌国交相は「地域の足の確保は非常に切実な課題。一過性ではなく、持続的な取り組みを後押ししたい」と新組織の狙いを述べた。
同プラットフォームでは、交通空白の課題解決に向けて①自治体、交通事業者、企業・団体のマッチングを推進②実証事業の展開③好事例の情報共有やセミナー開催―を3本柱に活動を進める方針。これらを通して、人口減少や少子高齢化を背景に運転手などの担い手不足に悩む自治体や交通事業者と、課題解決を支援する技術・サービス・人材を持つ企業などとの連携・協働および実証事業の展開を後押しする。
幅広い分野の企業・団体の参画によって、異業種連携による付加価値創出も期待している。過疎地域の実証事業では、商品配達車を非稼働時間に「路線バス化」して人を輸送したり、貨客混載、共同配送などを想定している。
プラットフォーム会員は2025年1月24日まで公募し、さらなる参加者拡大を目指す。同年2月もしくは3月に予定する第2回総会では、交通空白解消に向けたマッチング商談会や活動事例発表を行う考え。実証事業は同年4月から展開を計画する。
「移動の足」や「観光の足」の不足といった公共交通の課題は、過疎地の地方だけではなく都市部でも深刻化しつつある。抱える課題や事情も地域によって異なる。国交省は今夏、陸海空の各局や地方運輸局で構成する「『交通空白』解消本部」を設置するなど取り組みを進めている。「地域交通は地方創生の基盤」との考えのもと、関係省庁と連携して交通空白の解消に伴走型で支援する。
カテゴリー | 会議・審議会・委員会 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞11月29日掲載