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2024年11月25日

「レジャー白書2024」 23年の余暇活動は国内旅行が最多

日本生産性本部(前田和敬理事長、東京都千代田区)がまとめた「レジャー白書2024」によると、2023年に余暇を過ごす際に行った活動で「ドライブ」は前年比で120万人減の3180万人だった。順位も前年の5位から6位に下がった。トップは2年連続で「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」となり、参加人口も660万人増の4740万人と大幅に増やした。2位の「外食」などコロナ禍で打撃が大きかった分野で伸びが目立った一方、人との接触を抑えられるドライブを含め制限下でも人気があったもので落ち込みがみられる傾向となった。

この調査は24年2月にインターネット上で実施。全国の15~79歳の男女から3303件の有効回答を得た。順位や参加人口はマイナスとなったものの、自動車による移動の需要自体は根強かったとみられる。23年の余暇活動に関連するサービスやアイテムの市場規模は、同13.4%増の71兆2140億円。コロナ禍前の19年比で1.5%下回ったものの、21年以降で3年連続のプラスを維持する。特に、23年は「観光・行楽部門」の伸び率が32.1%と最も高かった。日本生産性本部によると、同部門の中で「自動車販売も伸びた」としており、堅調な需要を裏付ける。

また、同年は車の消耗品類の販売が拡大した。自動車用品小売業協会(APARA、小林喜夫巳会長)がまとめた加盟用品店4社の23年度実績では「オイル」が前年度比8.8%増の266億円、「バッテリー」が同10.2%増の220億円だった。車での移動が増えれば、消耗品の交換需要が拡大する。用品小売り各社では、この作業に伴う工賃収入も増えたとしており、ドライブも一定の人気があったと言えそうだ。

自動車を含む余暇市場は、今後も拡大する見通しだ。仕事(勉強や家事を含む)に比べて、余暇を重視する人が65.7%と、約3分の2を占めた。09年の調査でも半数に届いていたが、着実に増加していることが分かる。仕事に重きを置くと答えた人の割合は10%程度と、少数派となっている。このトレンドはすぐに変化しないとみられ、レジャー関連市場は引き続き活気をみせる可能性が高い。こうなれば、自動車関連の事業者にとってもビジネスチャンスとなりそうだ。

ただ、足元で相次いでいる物価上昇が、需要の拡大を抑制する懸念もある。日常生活に必要なコストが上昇すれば、余暇に回す金銭的な余裕が少なくなるからだ。実際、ホンダアクセス(酒井富志也社長、埼玉県新座市)が行った2024年版の「秋レジャーと車中泊に関する調査」でも同様の傾向がみられている。政府の経済対策なども、余暇市場の行方に影響しそうだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞11月22日掲載