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2024年11月21日

自動車向け再生プラスチック活用へ 産学官で会議体発足

自動車向け再生プラスチック市場の構築を目指す「産学官コンソーシアム」が20日に設立された。参画団体らは今年度中にアクションプラン(行動計画)をまとめる。欧州の「ELV(使用済み車)規則」の動向を注視しつつ、オールジャパンで対応を進める狙いがある。

コンソーシアムは「再生材原料の確保」「再生材の質の確保」「再生市場の拡大」に向け、関連業界が連携して活動する。サプライチェーン(供給網)を俯瞰(ふかん)した課題分析のほか、再生材の供給や利用拡大に向けた取り組みなどを経済産業省、環境省とも連携して議論し、行動計画にまとめる。対応策は(1)国、(2)動脈産業、(3)静脈産業、ごとに取り組みや検討の方向性を短期(~2030年)、中期(~35年)、長期(~40年)に分けて整理する。

政府は、第5次循環型社会形成推進基本計画で30年度までにプラスチックの再生利用を倍増する目標を持つ。ただ、廃プラの約6割は燃料として燃やされるほか、再生プラスチックも約7割が輸出されるなど、再生材の国内利用は進んでいない。自動車向けに再生可能な廃プラがどの程度あるかも国は把握していない。

こうした中、欧州は車両製造に用いるプラスチックの25%以上を再生プラスチックとし、このうち25%をELV由来とすることを義務付ける方針だ。欧州自動車工業会が再生プラスチックの需要と供給の不均衡などを理由に反対するなど、31年とも見込まれる適用時期までには曲折も予想されるが、再生材の活用拡大には、静脈産業を交え、サプライチェーン全体で対応する必要がある。日本としてもコンソーシアムを通じ、再生プラスチック市場の拡大に向けて活動していく。

参画団体・機関は次の通り。▽自動車産業=日本自動車工業会▽自動車部品産業=日本自動車部品工業会▽プラスチックなど素材製造産業=日本プラスチック工業連盟、日本化学工業協会▽自動車解体業=日本自動車リサイクル機構▽破砕業=日本鉄リサイクル工業会▽プラスチック処理・リサイクル業=全日本プラスチックリサイクル工業会、日本プラスチック有効利用組合、全国産業資源循環連合会▽その他団体=プラスチック循環利用協会

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞11月21日掲載