2024年11月19日
NTT 自動運転事業説明会、レベル4実用化へ
NTTは15日、自動運転事業の説明会を東京都内で開き、乗用車やコミュニティーバス、路線バスなどに対応し、それぞれパートナー企業と連携して自動運転「レベル4(特定条件下における完全自動運転)」実用化を目指す方針を示した。同社では自動運転を支える「車両」「ルート」「安全」の各領域でNTTグループの強みを生かせるとし、社会課題解決に貢献していく考えも示した。
「NTT中央研修センタ」(東京都調布市)内の自動運転実証拠点を報道陣に公開するとともに、今後の取り組みなどを説明した。
同社は移動ニーズに合わせた〝適材適所〟の車両を選び、パートナーと組む。米国で自動運転事業を手掛けるメイ・モビリティとの連携では、主に乗用車(4、5人乗り、当面は時速48㌔㍍程度まで)に取り組む。NTT西日本やマクニカが出資している仏ナビヤモビリティとは、主にコミュニティーバス(13人乗り、時速20㌔㍍程度まで)での実用化を目指す。ティアフォー(加藤真平社長、名古屋市中村区)とは、路線バス(24人乗り、当面時速35㌔㍍程度まで)の開発に取り組む。
NTTはベースとなる車両や自動運転システムでパートナーと連携するほか、日々の点検などを含めた運用面でも、ネットワーク監視や保守のノウハウを活用し、遠隔監視システムや万一の際の人員派遣などができるとした。
実証拠点では、①オペレーションプロセスの理解や車両の安全運用などのノウハウ蓄積②体感や顧客からのフィードバック、ソリューション開発などにつながる試乗機会の提供③ローカル5G(第5世代移動通信システム)の車載化や遠隔監視の実証―といったテーマに取り組む。例えば、メイ社との連携では、グループのICT技術や全国に展開している拠点・資源・ネットワークを活用。自治体や交通事業者、そのほかの業界などとも連携し、サービスを展開していく。
NTTの研究開発マーケティング本部でモビリティビジネスを担当する清水邦彦統括部長は、年度内に公道での実証に入りたい考えも明らかにした。
また、同センターの拠点を活用して今後、メイ社を皮切りに、ナビヤ社やティアフォーなどとの実証も進める方針。バスなどの交通事業者や自治体、自動車業界などとも広く協力していく計画だ。
清水統括部長は実証活動について「アップデート(更新)していく。期限は特に設けていない」とした。先日発表したトヨタ自動車との連携強化は「安全を軸にしたものだが、自動運転もそれに寄与する」と説明した。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞11月16日掲載